阿里山とは1つの山を指しているだけでなく、南投と嘉義の2県をまたぐ大武巒山、尖山、祝山、塔山など18の山々を総称してこう呼ばれている。最高峰の海抜は2663メートル。そう高い山ではないが、神木や桜、雲海、日の出の4大絶景で有名だ。
嘉義から森林鉄道に乗り、約4時間で行ける景勝地。鉄道は1912年に敷設され、総延長は海抜30メートルの嘉義駅から、約2000メートルの阿里山駅まで72キロ。一部の区間では1キロ走るごとに60メートルも登り、その斜度の大きさは非常に珍しい。また峡谷を走るため、多くの橋を架ける必要があった。橋梁の数は77基、トンネルは9カ所。森林鉄道は4大絶景とともに、阿里山の5大奇観と言われている。
阿里山には希少な樹木が多い。主峰の神木駅の東側に大樹が聳え立っている。樹身はやや傾き、主幹はすでに折れているが、梢の分枝には青々とした緑が生い茂る。高さは約50メートル、幹の幅は23メートルあり、幹を囲い込むには十数人は必要だ。すでに樹齢3000年余り、周公の摂政時代と推定されることから「周公桧」と呼ばれ、アジアの「樹木の王」。周公桧の東南側に珍しい「三代木」が立っている。第一代の樹齢は1000年を超え、枯死した樹身から生まれた第二世代も、根は老いて殻も空となり、残った幹から生まれた第三世代が現在、枝と葉を生い茂らせて、青々とした緑をたたえている。高さは3メートル余り。非常に希少な樹木だ。
桜の名所としても有名で、開花のころは大勢の人で賑わう。阿里山の至るところで、紅桜や白桜が満開となって艶やかな姿を見せ、森林の黒緑と黄緑とともに織り成す美しい光景は、訪れる観光客を魅了させる。
雲海や日の出を見るのにも絶好の場所だ。黄昏のころ、阿里山にはよく壮麗な雲海が出現する。山頂の展望台から遠くに目をやると、雲海がどこまでも果てしなく広がっている。阿里山の名峰、祝山の山頂に日の出を見る観日楼がある。朝早く楼に登る。山中の空気は格別新鮮だ。遠方を眺めると、玉山の青色をした輪郭が徐々にまばゆい金色の縁に覆われていき、その一瞬、太陽が跳躍でもするかのように天空に突き出てくる。と同時に光芒が放たれる。朝焼け雲に青々とした山や谷、まさに万物が壮観を極める時だ。
阿里山の付近にある姉妹潭や孔雀渓も同様、観光客が訪れる幽玄の地。山林にある慈雲寺や樹霊塔、高山博物館、高山植物園なども見所だ。
東部の花蓮県にあり、「大理石の王国」と呼ばれる峡谷。太魯閣公園内では自然の手による地形や、立霧渓の素晴らしい風景が楽しめる。中横自動車道も独特の景観を見せてくれる。思わず息を呑みたたずんでしまうほどだ。