博鰲(ボアオ)アジアフォーラムが21~23日、海南省博鰲市で開催される。今フォーラムのテーマは「アジアがメリットの共有を模索――アジアの新たなチャンス」。同フォーラムの竜永図事務局長はこのほど人民日報の取材に応じ、主に次のように述べた。
この5年間、博鰲アジアフォーラムは成功のプロセスを歩んできた。わずか5年間ですでに、発展途上国のブランド、アジアのブランド、中国のブランドになりつつあり、国際社会の高い注目を集めている。これはたやすく実現できることではない。
博鰲アジアフォーラムが成功した最も主な理由は、フォーラムが「アジアのメリット共有の模索」を永遠のテーマに掲げていることだ。もちろん、このフォーラムでは、アジアの人々が閉鎖的な討論を行うのではなく、これ以上にアジアの人々が団結して他の地域や国に対抗し競争を行うものではない。われわれは、開放されたアジアを提唱しているのだ。
今年のフォーラムのテーマは、「アジアの新たなチャンス」だ。これには二つの意味がある。一つは、経済のグローバル化を背景として、アジア経済の発展にどのような新たなチャンスがあるかということ。もう一つは、アジアの発展が他の地域や多国籍企業にどのような新たなチャンスを与えられるか、ということだ。この二つの意味を結びつけると、「協力の模索、メリットの共有を実現」ということになる。
近年において、中国は米国や欧州連合(EU)、世界の他の地域との間で、貿易摩擦がやや増えている。中国企業に対するダンピング訴訟も大幅に増えた。この問題について、まず貿易摩擦と貿易保護主義という二つの概念をはっきり区別する必要がある。貿易摩擦は正常な現象だ。まるでサッカーのように相互にぶつかり合う、とても正常なことだ。しかし、他人を蹴って反則すれば、イエローカードやレッドカードを受け、貿易摩擦が多くなれば反ダンピング措置などが行われることになる。だが、もしある国が差別的な反ダンピング措置をとれば、あるいは世界貿易機関(WTO)が決める手順に従わずに反ダンピング措置を行えば、それはとりわけ貿易保護に力を入れているということだ。貿易摩擦は避けることのできない現象だが、貿易保護主義は決して行ってはならないことだ。
今フォーラムに出席する850人の代表のうち、450人は外国企業の代表で、39カ国に及び、幅広い顔ぶれがそろう。われわれは、各省・直轄市・自治区からの対外貿易関係者が今フォーラムに出席することを歓迎する。もちろん、われわれはアジアの他の国からより多くの企業が出席することも望む。今フォーラムでは、中国の銀行業改革や国有企業改革以外に、エネルギー動向、開発、IT産業などの今後の「革命」、中国の不動産産業の発展、アジア企業の競争力など多くの問題を討論する。このほか、昨年開かれた「中国・オーストラリア協力フォーラム」を基礎として、今年は「中国・インド協力フォーラム」を開催して、会議に出席する企業がより多くの利益を得られるようにしていきたい。
「人民網日本語版」2006年4月22日