5月から9月までは、チベット自治区の景勝地ナムツォ湖観光にとってのベストシーズン。チベット語で「天湖」といわれるこの世界で最高の海抜を誇る湖のほとりで、その雄大な自然の中で心身ともリラックスしてみてはいかがでしょうか。
ナムツォ湖の海抜は4718メートルで、面積は1940平方キロ。湖の中へと伸びている形の5つの半島のうち、ザシ半島が最大のもので、ここからの景観の眺めが最高と見られている。観光客受け入れ施設もここに設けられている。ザシ半島は岩石と多くの鐘乳洞からなっており、いたるところで、奇岩怪石と石峰を目にすることができる。さらに面白いことに、石峰の間には、自然に形成された石の橋がかかっている。こうした神業と思われる景観は、青海・チベット高原ではめずらしいものである。
1日の中で、ナムツォがもっとも美しい姿を見せてくれるのは朝と夕方。早朝には、ニエンチェンタングラ山の積雪が、黄金色の日差に赤く染まり、反射された日光は、岸辺で光と影の移り変わりを演出してくれる。湖を囲こんでいるのははてしなく広がる草原であり、夏になると見渡すかぎりの緑の絨毯が広がっているようで、秋には黄色い海が一面に広がっているようである。夕方には、夕日が雲の隙間から炎のような光を噴出しているようで、雲、山なども燃えているように見え、湖の水面は、赤みがかった金色に輝いている。
ナムツォの最も魅力的なところというと、それは雲と光のユニークな変化である。1日のうちに、さまざまな気候を体験することができ、気候の違いによってさまざまな景観が現れ、それが次から次へと変わり、一瞬も止まることがない。
また、チベットでは、神なる山と聖なる湖と見なされるものは、すべて干支が付与されている。ナムツォの干支はヒツジ。そのゆえ、ヒツジ年になると、この一帯ではさまざまな祭りが催されることになっている。ヒツジ年のナムツォ観光をぜひお勧めしたい。
「チャイナネット」2006年5月10日