映画「太陽の少年」や「鬼が来た!」などで知られる監督・俳優の姜文は23日、第9回上海国際映画祭で金爵賞審査委員会主席を務めた監督リュック・ベッソンと交流した。姜文は、「今の中国の映画業界は依然として”農業の段階”にとどまっている。もちろん、その段階から抜け出そうとする映画も少なくないが、観賞するとなんとも不自然だ。米国の”工業化された”映画には似ても似つかないし、かといって農業段階の映画が持っていた『緑色の』良さも失っている」と話した。
「緑色の映画」とはどんな映画なのか?姜文は、「化学肥料を使っていない」「真実の感情を反映している」「食べると栄養になる」映画が、正真正銘の映画であると言う。例えば陳凱歌(チェン・カイコー)監督の「さらば、わが愛 覇王別姫」や、張芸謀(ジャン・イーモウ)監督の「紅いコーリャン」、リュック・ベッソン監督の「レオン」などを、そんな「緑色の映画」として挙げた。
姜文は「自分達の映画が農業段階に居ることは、悪いことじゃない。工業化された映画生産のシステムを、われわれがまだ確立していないから、今の段階にいるということだ。どっちにしても、本当に良い農業段階の映画を撮れば、中国の映画界はもっと発展できる」と強調した。
また姜文は「自分は別に商業的なやり方に反対しているわけじゃない。ただ、もっと大事なのは映画の本当の水準だ。映画は、人を興奮させるべきだ。業界人は、少し冷静になって、よく考えるといい。結局、どんな映画を撮れば、観衆が満足するのかと」と付け加え、こう呼びかけた。「映画を撮るのは、恐ろしくもあり、興奮もする感覚があるものなんだ」。
「人民網日本語版」
2006年6月24日