南京大虐殺の生存者・夏淑琴さん(76)が28日、自身が訴えられた裁判に応訴するため渡日した。30日に被告として東京地方裁判所に出廷する。夏さんは、南京大虐殺の生存者を否定することによって、南京大虐殺の史実を否定しようとする日本の右翼分子の意図を明らかにするとしている。北京の日刊紙「京華時報」が伝えた。
中国の民間レベルの対日賠償請求作業チームの責任者によると、日本の展転社が1999年に出版した、東中野修道氏と松村俊夫氏の南京大虐殺に関する著作は、夏さんらを偽物の生存者であると断じ、そこから南京大虐殺の真実性を否定している。夏さんは中国人弁護士に委託して、2000年に南京市で、両氏と出版社を相手取って名誉毀損の訴えを起こした。04年に南京法院が開廷して審理を行ったが、判決はまだ出ていない。一方、東中野氏と展転社は「逆襲」に転じ、著作は夏さんの名誉を傷つけていないとして、05年に東京地方裁判所に訴えを起こした。日本の裁判所に対し、夏さんが中国の裁判所に訴えた名誉毀損の事実がないことを確認するよう求めている。
「人民網日本語版」2006年6月29日