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評論:中国人の海外でのイメージを向上するには

中国共産党中央文明委員会が定めた「中国公民の旅行時におけるマナー向上計画」のなかで、「海外で良好な国民イメージを樹立する問題」が提起され、大きな反響を呼んだ。人民網がウェブ上で「中国人が旅行時にする非文明的な行動」を募集した結果、何十種類にものぼる典型的な悪習が寄せられ、これらの悪習が「中国人の全体的なイメージをひどく壊した」と憤慨する書き込みもあった。

海外旅行に出かける中国人が増加していることはもとより、中国の「走出去(海外進出)」戦略の実施によって、海外の労働市場が日に日に拡大し、各種技術者から農民にいたるまで皆、「海外進出」の機会に恵まれたことを考えれば、より良い国民イメージを作ることは差し迫ったテーマである。改革開放前と比べれば、海外はすでに夢物語ではない。今や世界中で人の集まるところに行けば必ず中国人がいるという。これは中国の対外開放の結果であり、社会の進歩の表れだ。しかし残念なことに、中国人のいるところには、往々にして見るものが恥ずかしくなるような行為が横行する。

道徳は一朝一夕では身につかない。礼儀を知らない人が、外国に出たとたん謙虚な君子のように振舞うことができるだろうか?文化的資質を高め、より良い国民イメージを作り上げ、より多くの一般大衆が「イメージ大使」となるには、国内における教育がカギとなる。これから道徳、礼儀の教育は社会の各方面において重視すべきものになるだろう。両親が老人に優しくできないなら、その子供が海外でお年寄りを尊重できるだろうか?国内のバスに席を譲り合う雰囲気がなくて、海外で礼儀よく席を譲ることができるだろうか?国内で誠実に商売ができない商人が、海外で信頼のある契約が結べるだろうか?国内できちんとした身なりをしていない労働者が、海外できちんとした服装をすることができるだろうか?

喜ぶべきことに、関係機関はすでに責任を認め、事態改善に向け動き出している。ある旅行会社では旅行客への教育を強化し、中国のイメージを損なわないよう注意を呼びかけるとともに、外国の風俗習慣を紹介しているという。また、杭州の建築現場では、数百箇所の「農民工(農村出身の出稼ぎ労働者)学校」が設立され、技術だけでなく、礼儀、道徳、法律も教えているという。

中国は礼儀の国である。中華民族の歴史が始まったばかりの頃、礼儀はすでに人の活動とともに生まれた。戦国時代の思想家・管子は「礼儀廉恥(礼・義・廉・恥の四つの道徳)」を「国之四維(国家を維持するのに必要な四つの大綱)」として掲げている。儒教学者によって編纂された礼儀学についての専門書「周礼」「儀礼」「礼記」は、漢の時代以降の二千年以上の歴史の中で「礼経」としてつねに重視され、人々の言葉遣いや振る舞いはいつでも礼儀正しかった。そして今、公民の文化的資質を向上するというこの課題は、我々中国人を中華の伝統に立ち戻らせるものなのだ。

「人民網日本語版」2006年8月24日

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