関係筋によると、三峡ダムの156メートル貯水プロジェクトが9月20日から実施され、現在の135メートルから156メートルに達するまでの貯水は約20日間の水の注入を必要とするが、具体的な進展は長江の流量によって決まる。貯水プロジェクトは計画どおりに実施され、四川省東部と重慶市の干害に影響されることはない。
気象専門家 三峡ダムの貯水が干害の原因というデマを打ち消す
最近、「重慶の深刻な干害は三峡ダムの貯水のせいである」というデマが流されているが、これについて、気象専門家は「これは科学的根拠のないデマである」と反論した。
四川省気象局の観測データによると、今年の四川省の酷暑と干ばつは、世界的範囲における気候変動の局地的な反応であり、例えば、中国大陸部にたてつづけに上陸した台風は亜熱帯高気圧を突きもどし、移動不可能となった亜熱帯高気圧が長期間に四川省と重慶市のほとんどに居残ることになり、一方、台風は南部から湿気の通り道を遮断し、亜熱帯高気圧は北部からの寒気団を阻むことになり、四川盆地は「気候面で孤島」となったというわけである。そのため、大きな範囲での降水がなくなり、干害を緩和することができなくなった。
重慶市の深刻な干害について、重慶市気象局は大気環流の異常をその主な原因としている。
関係筋によると、夏季に入っていらい、西太平洋の亜熱帯高気圧が非常に強大になり、高気圧の背が北西に傾いたため、重慶市は高気圧圏の影響で沈下気流が盛んになり、降水も少なくなり、持続的な干ばつに見舞われることになった。
また、青蔵(青海・チベット)高原の高気圧も往年よりも強いものであり、亜熱帯高気圧と連なって強大な高気圧帯となり、重慶市のほとんどを持続的に制圧下に置いた。これとともに、ベンガル湾からの中・低層の湿気の通り道が大陸の高気圧に遮断され、重慶市の水蒸気が不十分となり、空気の湿度が低すぎ、少雨干ばつの気候となったわけである。
「チャイナネット」 2006年8月31日