抗日戦争期に残されたトーチカが15日、南京市東郊外の江寧湯山鎮寺庄附近から侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館(南京大虐殺記念館)にそのままの形で移された。同記念館の拡張工事が終わり次第、新しい展示室で実物として展示される。このトーチカは、当時、国民政府軍が南京防衛戦のために建設したもので、70年ほど前のもの。中国新聞社のウェブサイト「中新網」が伝えた。
トーチカはコンクリートを流し込んで作られており、重さ32トン、高さ3.6メートル、幅2.6メートル前後、壁の厚さは50センチで、3箇所に銃眼がついている。現地の高齢の村民の話では、この附近にはトーチカがいくつかあったが、今はほとんどなくなったということだ。
同記念館の朱成山館長は、「現在、新館の拡張工事を進めており、南京防衛戦は新館の重要な展示内容となる。今回納められたトーチカはその重要な物証となるものだ」と述べた。
同記念館は近年、関連する歴史的証拠品の収集作業を強化しており、最近の2年間で、国内各地から3000件近くの史料を集めた。国外では、日本、欧米などで1万ページ余の記録文書、千枚近くの写真、8本のビデオ、映像フィルムなどを収集した。
「人民網日本語版」2006年10月16日