北京の大手家政婦派遣会社が6日に明らかにしたところによると、需要に供給が追いつかない状況に加え、全国各地の賃上げを受け、北京の「月嫂」（出産直後の母子のケアや育児の手伝いを行う専門の家政婦）の月給は4千元を突破したという。「北京晨報」が伝えた。

「本当に手が回らない状態だ」北京舒欣月嫂家政公司の項目経理・黄辰氏は多忙な毎日を送っている。同社には計300人以上の月嫂が所属しているが、ほぼ全員予約が詰まっており、最も先では来年6月の予約もある。人手を確保するため、同社は大々的に人材募集を行なった。また、北京世紀陽光家政公司の陳竜経理によると、毎日10人以上から月嫂の予約申し込みがあるという。予約数は現在のスタッフ数をはるかに超えており、申し込みの数は平年より約30％増だという。

2007年は五行では「金」の年、十二支では「亥」年に当たる。「金亥」は60年に一度の年回りで、縁起の良い年だと世間では伝えられている。このため、多くの夫婦は来年に出産を計画している。家家楽家政公司に問い合わせた馬氏は、夫人が来年3月に出産を控えており、夫婦は優秀な月嫂を探すため、今年8月から行動を起こしたという。家政婦紹介会社6社を続けて見て回ったが、最初の3社は予約がいっぱいで、続く2社は条件に合わず、最後の6社目でようやく満足できる会社に巡り合えた。

北京の月嫂の平均給与は現在3千元だが、大手家政婦紹介会社の担当者は「全国的な賃上げ状況に対応し、北京は来年からの給与アップを決定した」と語る。

「上海の月嫂給与はこれまでずっと北京より低かったが、今では上海、広州、深センいずれの都市も北京を上回っている。われわれもこれに従って賃上げしなければ、当然人材は去っていく」と黄経理は語る。最近の上海の月嫂給与は4500元まで上がっており、会社が市場の給与相場に合わせないならば、経験豊富な月嫂は辞めていくに違いない。北京舒欣月嫂家政公司はベテラン月嫂の給与を、3千元余りから4千元にアップした。他の某大手家政婦会社の担当者も、一部月嫂の給与を4千元にアップしており、今後さらに引き上げるかどうかは未定という。

しかし、月嫂の予約問い合わせをする多くの人は、給与水準についてはあまり気にかけていない模様だ。産婦と月齢1～3カ月の幼児の世話をする月嫂には、十分な経験が求められる。そのため、経済的条件に恵まれた家庭の夫婦は、高い給料を払ってでも経験豊かな月嫂を希望する傾向が強い。「ひと月4500元は決して安くはない。しかし、3～4カ月で2万元ちょっとで足りる計算ならば、我慢して優れた月嫂を雇ったほうが安心できる」との声も聞かれた。

「人民網日本語版」2006年11月7日