北京の豊聯広場で働く女性・任さんは27日、恋人を求める男女のための掲示板が3階に設けられ、同ビル内に勤務するホワイトカラーたちの「愛情宣言」で、いっぱいになっているのを見つけた。北京の日刊紙「京華時報」が伝えた。
豊聯広場や贏嘉中心など市内30棟の大型オフィスビルで、同様の掲示板が用意されていることが取材でわかった。同じビルの美男美女に片思いを抱く人は、12月3日までに、この掲示板を通して自分の思いを表現できるのだという。
この活動は、あるウェブサイトが始めたものだ。関係者の林静静さんは、この「ビル内恋人探し」活動は、同じオフィスビル内に勤務する独身ホワイトカラーが互いに出会い、愛を伝える場を設けるために始めたと紹介する。「毎日同じビルに出入りして、すでに誰かに恋愛感情が芽生えていても、それを伝えるチャンスがないかもしれない。そこでわたしたちは、北京のオフィスビル30棟に、愛を伝えるための掲示板を設置したのです」――。
独身の男女は、その場で赤いハート型のカードを受け取り、自分の恋人選びの条件と連絡方法を書き込む。片思いの相手がいる場合は、主催者側が用意する「愛情天使」にメッセージを託し、相手のオフィスに届けてもらうこともできる。ほかに「愛情暗号リストバンド」も用意され、興味がある人は、誰でも登録して受け取ることができる。リストバンド上の三角形は男性、円形は女性を表す。ペアのリストバンドは同じ通し番号を持ち、12月3日に同サイトの対面会で、無作為に振り分けられた相手がわかるという仕組み。
豊聯広場ではこの日、こうした斬新な恋人選びに好奇心を抱く独身のホワイトカラーたちの姿が見られた。「愛情リストバンド」を受け取った魏さん(女性)は、「すごく面白いから、参加してみました」と語った。掲示板にはすでに20枚余りの大小の「赤いハート」が貼ってあり、「forlove」と署名したある女性は、「愛のために待ち、一目惚れの縁を信じます」とのメッセージを残していた。主催者側によると、昨日午後6時半までに、すでに673人が「愛情リストバンド」を受け取ったという。
□専門家の視点:張侃・中国心理学会理事長
独身ホワイトカラーの増加は確かに1つの社会問題だ。仕事のストレスが大きく、異性と知り合い、交際する時間があまりないことが主な原因だ。同じビル内で恋人を探すこの方法は、その中のビジネス投機行為を投げ打って、良い事だと言える。範囲は狭いが、成功率は比較的高いはずだ。まず、同じビル内で働く人は、経済力や学歴などの条件が近く、双方の格差はとても小さい。また、同じビル内だと、空間的距離が近く、お互いに接触し、理解する機会も多い。接触が多く、理解が多くてこそ、愛情の火花が上がるチャンスがある。
写真:掲示板に「愛情宣言」を貼る女性
「人民網日本語版」2006年11月28日