建設部の仇保興副部長は2日、全国の公共交通の優先的な発展をめぐる会議において次のように述べた。
中国の公共交通建設には全体的に深刻な遅れが見られるが、根本的な解決は得られていない。現在中国における公共交通の分担率は10%以下で、大都市でも20%前後となっている。この数値は欧州、日本、南米などの大都市の分担率が40%~60%であるのに比べ、2分の1~3分の1ほどにとどまっている。路線バスの速度はますます低下し、現在の平均時速はわずか10キロほどと、すでに自転車の速度(時速12キロメートル)を下回っている。10年前と比べて、路線バスで出かけるのにかかる所要時間は平均で10分延長し、住民の公共交通サービスに対する不満は70%に達している。北京の日刊紙「京華時報」が伝えた。
このほか、自家用車の急速な増加による交通渋滞の悪化は、中国の大・中都市に普遍的に見られる「災害」となっている。試算では、北京市の主要幹線道路の平均時速は10年前の半分となり、市内にある183の主要交差点のうち、渋滞が深刻な箇所は60%に達する。また、上海市の幹線道路ネットワークの飽和度は平均で0.9に達し、南京市の主要道路の飽和度は0.87に達する。
写真(上):北京国貿橋付近での深刻な渋滞(資料)
写真(下):北京西城区阜成門付近の第2環状路で発生した渋滞(資料)
「人民網日本語版」2006年12月3日