厳冬を前に、東北トラの人工飼育繁殖基地に結婚シーズンが訪れた。“良縁”を期待し、“愛の果実”に純正で健康な遺伝子を確保しようと、基地の職員たちは双方のDNA鑑定に取り組んでいる。
東北トラは世界の絶滅危機種。主に中国東北地方とロシア極東地域に生息しているが、環境の人的破壊により、野生種は激減しつつある。現在生息するのはわずか400頭、中国でも20頭足らずだ。
黒竜江省横道河子猫科動物飼育繁殖センター。1986年の設立で、基地内の東北トラは、8頭の種トラからこれまでに700頭余りを飼育してきた。
チーフエンジニアの劉丹氏によると、基地では東北トラを半放し飼い状態で飼育しているが、放し飼い地区には20頭余りのトラがいる可能性があることから、1頭のメスに複数頭のオスが群がることがある。そのため、生まれた子トラの“父親”を確定するのは非常に難しい。DNA鑑定を行えば、血縁関係を確定できるので、やみくもな人工飼育を有効に防げるという。
劉丹氏は「現在、一部の東北トラのDNA鑑定結果を参考にしながら、比較的高い遺伝の多様性を保持するために、結婚シーズンに備えて種の調整を行って、遺伝子の質の割合良いトラを種トラに選ぶことにしている」と話す。
「チャイナネット」2006年12月15日