中国鉄道部が4月3日明らかにしたところによると、国務院の認可を得た北京・上海間高速鉄道プロジェクトは準備作業が急ピッチで進められている。
北京・上海間高速鉄道は、中国最初の世界先端の高速鉄道となると見られており、幹線の総延長は約1318キロで、走行方向は既存の北京・上海間鉄道の路線とほぼ平行のものである。全線が複線で、設計時速は350キロ、運営初期の時速は300キロ。この時速では、北京から上海までの走行時間はわずか5時間となり、現在の特急列車よりも9時間短縮することが可能となっている。この高速鉄道は旅客専用路線として企画されており、上がり、下りそれぞれの年間旅客輸送量は延べ8000余万人に達する見通しである。また、その開通後においては、在来の北京・上海間の鉄道は貨物輸送を主体するものとなり、上り、下りそれぞれの年間輸送能力は1億3000万トンに達すると見られている。これで、北京・上海間の旅客輸送と貨物輸送の需要がともに満たされ、交通機関の輸送能力不足の問題も根本的に緩和されることになると見られる。
北京・上海間高速鉄道の沿線には、北京、天津、済南、蚌埠、南京、無錫、蘇州、上海など21の駅が設置されることになっている。鉄道部の何華武チーフエンジニアは新華社の取材を受けた際、ラッシュ時には、3分間おきに発車することが可能で、旅客は随時に乗車し、座席を取ることが確保できると語った。
肝心の乗車券の料金について、国家発展改革委員会運輸研究所の汪鳴副所長は、高速鉄道はまだ未着工なので、現在のところで乗車券の価格を確定することはできないとしながら、運営コストと市場における競争などの要素を総合的に考慮に入れば、高速鉄道の乗車券の料金は民間航空と一般の鉄道のの中間にあるのではないかと語った。また、関連専門家は、高速鉄道の乗車券の料金は空の便の料金の55%に相当する可能性があり、現在の北京・上海間のフライト料金を1130元とすれば、高速鉄道の乗車券の料金は600-700元となるのではないかと語った。
また、北京・上海間高速鉄道は全線がシームレスで、枕木のみを使うレールを敷設し、レール、牽引機械、電力供給、通信、信号などのインフラ施設の建設に当たっては振動・騒音・電磁波の軽減、省エネなどの環境への配慮の措置を多く取ることになっている。全線では、防災、安全運行を保障するためのモニタリングシステムを整備し、世界の先端レベルに達する動力分散型電動車両編成を採用し、走行コントロール、操車指揮、情報管理、設備モニタリングなどを一体化した総合的なオートマチックシステムを導入することにより、高速、高発車頻度、快適性、高輸送力、時間通りの運行、高い安全性などの優位性を備えた近代的な旅客輸送システムを目指すものである。
北京・上海間の高速鉄道は、全線が閉鎖の方式で、踏み切りも立体交差橋を建設する予定であり、最大限に沿線の市民の生活の便宜や運行の安全性を確保することになっている。また、東部地域の貴重な土地資源を最大限に節約するため、全線では、できるだけ高架橋を多用し、土地の占用を少なくする方針である。
「チャイナネット」2006年4月5日