鉄道部筋によると、北京上海間高速鉄道の投資総額は1300億元余りに達する見込みである。専門家筋は、これらの資金は、主に移動設備と電子制御システムからなる鉄道設備及びインフラ施設の整備に投下することになっており、これほど膨大な投資の規模は、中国の関連産業の発展を牽引することにもなると見ている。
インフラ施設に対する投資は、おもに土地徴用費用及び橋梁、路床、トンネル、レール、駅などの建設費用に充てられ、この部分の投資は、建設費用総額の40%以上を占めると見られている。移動設備は機関車と一般車両の編成を指すものであり、移動設備に対する投資は、主に外国製の機関車の購入、コア技術の独自開発、製造とメンテナンスの費用に当てる。電子制御システムは主に中央コントロールシステム、列車コントロールシステム及び関連の通信、ネット技術のことを指す。移動設備と電子制御システムに対する投入は、投資総額の50%以上を占める見通し。
聯合証券の毛祖宏アナリストは、「北京上海間高速鉄道は環渤海と長江デルタの二つの経済ベルト地帯を通過することになっているので、土地徴用の費用は膨大なものとなり、固定施設投資の大部分を占めることになろう」と予測している。
また、北京上海間高速鉄道の建設で、次の業種が稀れに見るビジネスチャンスの恩恵に浴すことになるではないかと見られている。
1)固定施設の建設に必要とされるセメント、石材、鉄鋼、非鉄金属、プラスチックなどの建材及びレール敷設機械、パワーショベルなどの機械メーカー。2)高速列車の機関車、一般車両及びその部品の国産化率が70%と定められているので、国内の機関車製造業、鉄鋼加工企業、関連部品の加工企業が大きなビジネスチャンスに恵まれることになると見られている。3)電子制御システムの構築に必要なコンピュータのハードウェア、ソフト、ハイレベルの通信設備、ケーブル、光フィーバーケーブルなどのメーカー。4)鉄道プロジェクトを請け負う建設会社など。
「チャイネット」2006年4月7日