欧州連合(EU)駐中国代表団は13日に記者会見を開き、中国とEUがこのほど達した繊維貿易をめぐる合意について説明した。EUのアブー駐中国大使は、「EUは、双方の調印した覚書が規定する、2008年に欧州繊維製品市場を全面的に開放するという約束を、必ず順守する」と表明した。また、今年6月11日から2007年末の期間は、輸入制限の発動について定めた「中国世界貿易機関(WTO)加盟文書」(作業部会報告書)第242段の発動を控える方針を守るとしている。つまり、中国製繊維製品の貿易成長率が正常を保ち、EU加盟国の社会不安を招かない限り、EUが同条項を発動して中国繊維製品に対する輸入制限を設ける可能性は非常に小さい。
双方が調印した覚書は、Tシャツや亜麻糸など中国繊維製品10品目については、対EU輸出成長率を年12.5%以内に制限するとしている。他の製品については成長率の制限を設けておらず、中国の繊維業界とっては吉報といえる。アブー大使は、「EUは自身の繊維産業の急速な衰退を避けながら、中国繊維製品が得るべき必要な成長の権利も考慮しなければならない」と表明した。
アブー大使は一方、EUが第242段の適用放棄を約束してはいないことを強調。繊維製品は中国・EU貿易の小さな一部分にすぎず、EUは繊維製品のみのために他分野の利益を放棄する必要はないと述べた。また、EUが今年7月から年末にかけて、農産物・民用航空・環境保護などで中国と複数の協力協定を締結する計画を明らかにした。
EUがまとめた統計によると、昨年の中国・EU間の貿易総額は1750億ユーロ、うち繊維貿易額は約250億ユーロ。
「人民網日本語版」2005年6月14日