米石油会社ユノカルに対する買収提案を撤回した中国海洋石油はこのほど、提案撤回の理由は経済的要因ではなかったことを明らかにした。
中国海洋石油は「一時は買収条件をさらに引き上げることを考えており、米国の政治的環境というハードルがなければ、すでに実行に移していたはずだった」と指摘する。しかし、同社がユノカルに対する買収提案を行って以来、米国の政界からはかつてない反対意見が湧き起こり、有効な措置として米国が採用し続けてきた米外国投資委員会による審査手続きに対しても、改正を求める声が上がった。これに対し同社は「非常に残念であり、いくらか不公平でもある」と述べている。同社は米国の監督当局の懸念を払うため、買収に向けたいくつかの約束を行ったものの、米政界の反対は高まり、タイミングを逃す形となった。
同社は「このように残念な政治環境により、成功の確率を正確に測ることができなくなり、買収実現には大きな不確定性と受け入れることのできないリスクが生じた。不本意ではあるが、ユノカルの株主や社員にとって非常にマイナスになったことは明白であり、買収条件を撤回せざるを得なくなった」と述べている。
「人民網日本語版」2005年8月4日