中国の対日農産物(林・水産物含む)輸出額は今年1~10月、前年同期比3.2%増の66億ドル、農産物全体の輸出増加率を9.5ポイント下回った。10月単月の農産物輸出額は前年同期比13.2%増の7億2千万ドル、増加率は日本の「ポジティブリスト」実施後、最高となった。(商務部外貿司)
10月の対日農産物輸出の主な特徴は次の通り。
(1)福建、広東、上海、江蘇、浙江など南部各地の対日輸出増加スピードが加速した。秋冬に入り、南部産オフシーズン作物の競争力はさらに強化、10月の対日輸出額は、福建6421万ドル、広東3672万ドル、上海2197万ドル、江蘇3499万ドル、浙江8084万ドルとなった。輸出増加率は12.8%~54.2%と、前年同期の増加率をはるかに上回り、主な北部生産地の同期の増加率より高かった。
(2)水産物、園芸(花卉など)製品の輸出増加率が上昇し、牧畜業製品の輸出が減少した。10月の対日水産物輸出額は、前年同期比26.3%増の2億6千万ドル、世界への輸出増加率を4ポイント上回った。園芸製品の対日輸出額は同比11.6%増の2億2千万ドルだったが、これは全体に比べ8.3ポイント低かった。牧畜製品の対日輸出額は同比5.2%減の9816万ドル、去年は13.7%増だったが、減少に転じた。
(3)高度加工農産物の輸出増加が加速した。10月の同製品の対日輸出額は23%増の4億2千万ドル、農産物の対日輸出全体増加率を9.8ポイント上回った。高度加工製品輸出は農産物輸出全体の57.9%を占めており、この割合は前年同期比4.6ポイント増。
(4)対日輸出の価格上昇率は、全体の価格上昇レベルに比べやや低かった。10月の対日農産物輸出価格は前年同期比5.2%上昇、輸出農産物全体の価格上昇率より0.6ポイント低く、価格上昇率はEU(9.5%)、香港(7.6%)より低くいが、米国(-1.3%)、アセアン(3.2%)など主要輸出市場よりは高かった。
10月の対日輸出農産物のうち、46回の製品が不合格とされた。このうちポジティブリストに関するものが17回、全体の36.9%を占めた。
ポジティブリストの導入後半年間で、日本は中国産ウナギ、フグ、ウーロン茶、シロキクラゲ、キクラゲ、シイタケ、松茸、ニンニクの芽、ネギ、落花生、シソ、ショウガの12種類に対して13項目の検査命令措置を実施、関連額は9億ドル以上にのぼった。このうち検査命令措置の影響が最も大きかったのは生シイタケで、通関所要時間は従来に比べ倍以上となった。製品の鮮度は下がり、日本市場における中国産生シイタケの販売量・価格とも低迷が続き、輸出企業とキノコ農家が受けたダメージは極めて大きい。
全体的に見て、中国の対日輸出は回復しつつあるが、シイタケ、ネギなど一部の生鮮野菜などは「ポジティブリスト」の影響を受け、輸出リスクが増大し、企業と農家の利益も低下した。
「人民網日本語版」2006年12月21日