米国メディアはこのほど、中国から米国・カナダなどが輸入した小麦、ふすまなどのペットフード原料には有毒成分が含まれており、これによりペットが死亡した可能性があると報道した。国家質量監督検験検疫総局(質検総局、品質検査部門)は直ちに調査を展開。その結果、中国は米国やカナダにペットフード原料として小麦やふすまを輸出したことがなく、米国でペットの中毒死を引き起こしたとされる殺鼠成分のアミノプテリンは、中国では農業部門による登録の対象になっておらず、アミノプテリンを含む殺鼠剤の使用も許可されていないため、中国と今回のペット中毒死と無関係であることがわかった。
米メディアの報道によると、カナダに本部を置く大手ペットフードメーカーメニュー・フーズ社(Menu Foods)が生産したペットフードを食べたペットの犬・猫が、殺鼠成分アミノプテリンによる中毒症状を示し、中には死亡するものもいた。米側の初期調査では、原料に用いられた小麦にアミノプテリンが含まれていた可能性があるとされた。「USAトゥデイ」紙の25日付け記事に引かれた同公司スポークスマンの話によると、同社製品に使用する原料のふすまは中国など3カ国から輸入したものだという。
質検総局の調査によると、アミノプテリンは抗腫瘍効果のある医薬成分で、中国農業部門は農薬・殺鼠成分としての登録・使用を認めていない。このため中国で生産・加工・保存された小麦とその加工製品がアミノプテリンに接触したり、汚染されたりすることはあり得ない。各地方の検査検疫機関の調査では、今年3月29日時点で、中国から米国・カナダへの小麦やふすまの輸出がなかったことが確認されている。
「人民網日本語版」2007年4月3日