北京市が2002年から2008年までに見込んでいるオリンピック関連投資は総額2900億元。ゴールドマン・サックスの研究レポートによると、オリンピックが生み出す生産額は1兆3760億人民元。外資系企業もこの巨大な経済効果の受益者だという。
「北京五輪によって利益があるのは、スポンサー企業だけに限らない。中国経済体制の中にある、すべての内資・外資系企業です」と、国務院発展研究センター企業所の張文魁副所長(北京五輪組織委員会市場開発顧問)は語る。「このこと自体が、北京五輪の願いなのです。より多くの内資・外資系企業がオリンピックの利益を共有してほしい」。
北京が2008年のオリンピック開催権を手にした当初、海外の世論は中国市場の開放レベルに疑問を抱いたこともあった。外資企業に大会の十分な「分け前」が来ないのではないかと考えた。
張副所長は「ところが、激しい争いの末にフォルクスワーゲンが北京五輪で最初のスポンサー企業になったとき、国内企業のほうが不満の声を上げた。当然、北京五輪のスポンサー選抜とその仕組みは国際慣例に従って行われました」と述べる。
巨大な五輪経済は、現在の中国発展のひとつの縮図といえる。2008年が日一日と近づくにつれ、五輪経済もゆっくりと前進している。北京オリンピックという「宴」を、誰もが逃すまいとしている。中国企業も、力のある国際大手企業も同じだ。
スイスのアセア・ブラウン・ボベリ(ABB)グループは今年3月、北京で変圧器供給に関する2200万ドルの契約を結んだ。
オリンピックのワールドワイドパートナー企業のひとつ、米ゼネラル・エレクトリック(GE)も、同様に北京五輪のビジネスチャンスを有望視している。GEの07年中国売上高は25億ドルを超える可能性が高いが、うち五輪関係のものが4億ドルを占めるとみられている。
最高クラスのワールドワイドパートナーのみではない。一般のスポンサーやサプライヤーも、この大きな市場を狙っている。昨年10月にはマレーシアの食用油大手、ケリー・オイルズの中国法人が北京五輪の食用油サプライヤーとなった。米貨物輸送大手のUPSは、バトミントン中国代表チームの2006~2008年のメインスポンサーに選ばれている。
国家発展改革委員会マクロ経済研究院の丁元竹氏は、「フォルクスワーゲン、アディダス、ジョンソン・エンド・ジョンソン、BHPビリトンなどを含む五輪スポンサー企業は、中国経済に深く根をおろしている。これらの企業は直接的または間接的に、五輪経済の利益を享受できる」と語る。
「人民網日本語版」2007年4月7日