ワーナーミュージックなど音楽業界大手11社が共同で、ヤフー中国の経営者である北京阿里巴巴（アリババ）科学技術情報公司を著作隣接権の侵害で訴えていた裁判で、北京市第二中級人民法院（裁判所）は23日、被告に対して229曲の音楽関連のリンクを解除し、原告に約21万元を賠償するよう命じる判決を出した。音楽業界企業が検索エンジンを権利侵害で訴えた訴訟で勝訴するのは、これが初めてのケースとなる。

裁判所は、被告のアリババはその経営するヤフー中国ウェブサイトにおいて、検索エンジンサービスを通じて試聴とダウンロードのプロセス上の便宜を提供しているだけであり、利用者に対して試聴やダウンロードを通じて音楽自身を提供しているのは第三者のウェブサイトであるため、複製やインターネットを通じた音楽伝播の行為にはあたらないとした。しかし原告は被告に2回にわたって書状を送り、権利侵害の事実としての存在を告知して、被告に対して案件に関連する全ての権利侵害のリンクを解除するよう要求していた。被告は原告の提供したURLの権利侵害の検索リンクだけしか削除せず、案件に関連する音楽229曲のその他権利侵害の検索リンクを削除する義務を怠った。裁判所はこれを、インターネットを通じ他人が権利侵害行為を実施するのを助けたことにあたり、権利侵害の責任を負わなければならないと認めた。

「人民網日本語版」2007年4月25日