税関総署は10日、6月の貿易黒字が当初予想通り昨年10月(238億ドル)を超え、過去最高の269億1000万ドルに達したと発表した。今年上半期(1~6月)の累積貿易黒字は1125億ドルとなり、通年の貿易黒字は前年比約13%増の2000億ドル前後に達する見通しだ。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
西側国家は一貫して人民元上昇を求めている。人民元の過小評価が中国の貿易黒字拡大につながっていると認識しているからだ。しかし、昨年以降、人民元は対ドルで7%近く上昇したにもかかわらず、中国の貿易黒字は減少するどころか、さらに増加している。原因は何か。
国務院発展研究センター対外経済研究部の隆国強副部長は、今年上半期の貿易黒字は前年同期比で83%増え、人民元の上昇とともに加速しているとして、人民元の為替レートと貿易黒字の因果関係は小さいとの認識を示した。
隆副部長は中国の輸出が急速な伸びを示しているのは、国際市場で中国製品に対する需要が大きいことが主要原因だと主張。人民元上昇で輸出コストが上昇したため、中国企業が値上げを要求すると、外国の輸入業者はそれに同意。これにより、輸出商品の単価が上昇し、米ドルによる代金収入が増えるという仕組みが貿易黒字が増加する原因の一つだと指摘した。
「人民網日本語版」2007年7月11日