中国中紡集団の李霊敏副総裁は、新華社記者の取材に対し、「経済のグローバル化につれ、産業が中国に大挙して移転し、中国の製造業はレベルアップが図られた。一部の業種や製品は強力な国際競争力を持ち、特に労働集約的な製品の競争力はとりわけ強い」と指摘した上で、「衣料を例に取ると、ジャケットや背広は中国に生産を移転し、中国で移転するしかない状況。人民元がいくら上昇し、輸出税還付率が引き下げられても、海外市場の中国商品に対する需要は変わらないのだから、値上げしてでも輸出しなければならない」と主張した。
また、中国の貿易黒字の伸びには客観的必然性があるとの分析もある。主因は製造業が生産拠点を中国に大挙移転したことで、中国の輸出が拡大し、国産品が輸入品に取って代わったこと。そして、西側各国がハイテク技術の輸出を規制しているため、輸入が伸び悩んでいるとの見方だ。
商務部の傅自応部長補佐はこのほど、「貿易黒字の伸びが速すぎると、外貨準備高の大幅増加と人民元発行量の増大につながり、市場流動性の過剰を招く。これに伴い、投資過熱やインフレを招きかねず、国民経済の健全なサイクルにも影響が出る。過剰な貿易黒字を減少させ、貿易のバランスを保つことは、国民経済の発展のみならず、貿易の発展にとっても必要だ」と指摘した。
「人民網日本語版」2007年7月11日