中越国境交渉の中国政府代表団の団長を務める外交部の王毅副部長は30日、ハノイで、北部湾(トンキン湾)における中越境界確定協定と漁業協力協定が効力を発したことについてのインタビューに答えた。記者との一問一答は次のとおり。
――中国とベトナムはなぜ北部湾で国境を定めなければならないのか。
北部湾は中越両国の陸地と中国海南島に囲まれ、外海と半分閉ざされた湾だ。海面積は約12万8000キロほど。歴史上これまで境界が定まったことはない。両国は1970年代半ば、北部湾の国境を決める交渉を始めた。80年代以降、新しい海洋秩序が次第に形成され、国連海洋法条約を中国は1996年、ベトナムは94年にそれぞれ批准した。こうした新しい海洋法制度に基づき、沿海国は12カイリの領海のほか、200カイリの排他的経済水域・大陸棚を設定できることになった。しかし中越両国が共有する北部湾は最も広いところでも180カイリほどしかない。つまり、北部湾で中越両国の権益が重なる海域を整理し、両国が交渉を通して明確な国境線を分ける必要があった。
排他的経済水域制度が各国で徐々に広がるに従い、伝統的漁業権が衝撃を受けた。北部湾についても、中越両国の漁業紛争が日増しに増え、漁業者の利益が損なわれるだけでなく、両国関係の順調な発展にも影響を与えるようになった。こうした新しい状況から、両国ができるだけ早く国境問題を解決するとともに、新しい漁業協力システムを築くことが客観的に求められていた。
「人民網日本語版」2004年7月2日