中国とベトナムは6月30日、「中越両国の北部湾(トンキン湾)における領海・排他的経済水域(EEZ)・大陸棚の境界確定に関する協定」と「中越の北部湾における漁業協力協定」を締結した。これにより、中国にとって初めて、海上境界線の一部が確定した。
外交部条約法律司海洋処の蕭建国処長は7月28日、これについて記者の取材を受け、次のような質疑応答が行われた。
――境界確定後に中越両国がそれぞれ獲得した面積はどのくらいか。
境界確定の最終的な結果により定められた、中越の北部湾における領海・排他的経済水域・大陸棚の境界線は、21カ所の座標点をつなぎ合わせたものだ。北は中越の国境を分ける北侖河(カロン川)の河口から、南は北部湾の南端までで、全長約500キロメートル。双方が獲得した面積はほぼ同じで、双方が満足する公平な結果となった。
――境界確定後、北部湾の漁民15万人が船を捨てて陸上で生計を立て、従来の生活スタイルを変えたという報道が多くあるが、これについてはどうか。
北部湾で生活する中国の漁民は70万~80万人いるが、境界確定前にも多くの漁民が生計上の問題で船を捨て、陸上で生計を立てるようになった。このほか、北部湾の漁業資源の保護のためにも、漁民の漁業活動や漁船の数に制限を設ける必要がある。このため、境界の確定が漁民の廃業に結びつく直接的な原因になったとはいえない。
この中で明確にしなければならない点は、こうした動きは、北部湾における漁業資源の持続的な利用の必要性が増大する中で進んでいたことだ。専門家の推算によれば、北部湾では、持続的な資源利用が可能になる捕獲量は年間約60万トンだが、近年では中越両国の北部湾における漁獲能力は計百万トン以上で、湾内の漁業資源の許容量をはるかに超えている。これが長く続けば、漁業資源が減少し、ひいては枯渇してしまうおそれがある。協定の規定に基づいて打ち出された措置は、双方の漁業関係の改善や、北部湾における両国漁民の良好な漁業秩序の構築に役立ち、最終的には湾内の漁業資源の持続可能な捕獲と湾内の生態環境の保護に役立ち、中国漁業の長期的な利益と一致する。
「人民網日本語版」2004年8月3日