先般、中国南中国海研究院の発足十周年祝典が催された。十年このかた、中国南中国海研究院は南中国海の歴史と地理、南中国海諸島の主権問題、海洋の境界線画定、南中国海の環境保全およびその関連分野で次のような基礎的な研究成果を収めた。（1）中国南中国海研究院は北部湾の境界線画定についての交渉に参加し、国の関連機構に約100件もの研究、対策、アドバイスのレポートを提出した。（2）「南中国海の問題について台湾海峡両岸の民間学術的フォーラム」を通じて、台湾海峡両岸の協力を促し、南中国海における中華民族にとっての共通の利益を守ること（3）国内でデータが最もそろっている南中国海問題についての中国語と英語の文献・データベースを整備しており、オンラインサーチを可能にしたこと（4）大陸部における南中国海の問題についての唯一の研究刊行物である『南中国海研究』を出版し、「南中国海の情勢を評価するアニュアルレポート」という青書を編集、出版したこと（5）「デジタル化の南中国海」というプロジェクトもスムーズに進捗している。（6）毎年、南中国海の問題についてのシンポジウムを催し、それについての国際間協力を大いに推し進め、アメリカ、カナダ、シンガポール、マレーシア、フィリピンなどの国の戦略研究機構との学術的交流を定着させたこと。

関係筋によると、中国南中国海研究院は南中国海の問題を主な研究の目的とする、学術交流に従事する研究機構であり、政策と研究の上で中国外交部と中国国家海洋局の指導を受けている。その前身は、1996年に発足し、中国外交部が指定した南中国海問題の研究のベースである海南省南中国海研究センターである。2004年7月に国務院の批准を経て、海南省南中国海研究センターは中国南中国海研究院に改称された。

同研究院の主な研究分野および課題は次のとおり。（1）南中国海の歴史と地理、南中国海諸島の主権問題（2）南中国海の地政学的政治と周辺諸国が策定した南中国海向けの政策（3）南中国海海域における海洋法の適用についての研究（4）南沙群島の紛争を平和的に解決するための対策研究（5）南中国海の資源開発と環境保全（6）南中国海問題の解決および海洋科学の研究に従事する専門人材の育成と備蓄。

唐家璇国務委員は中国南中国海研究院の発足十周年のために祝電を送り、中国南中国海研究院を中国南中国海問題の研究の重要な基地にするよう奨励した。

「チャイナネット」　2007年1月8日