日本が輸入する中国産の食品の総体的な状況に関して、日本厚生労働省の輸入食品安全対策室の道野英司室長を取材した。
――日本が輸入する中国産の食品の総量はどのくらいですか?国別順位は?
厚生労働省のウェブサイトに基本的な状況を公開しています。2006年日本が輸入した中国産の食品は、重量では493万5605トン、税関への申告数は57万8524件です。国別でみると、重量では中国は第二位、税関への申告数では中国が第一位になっています。
――日本が輸入する中国産の食品にはどんな特徴がありますか?
特徴としては、数量が多いことと件数が多いことです。米国産と比較してみると、重量は米国産が第一位で、2006年には1310万8050トンでした。件数では米国は第二位、同年で19万6856件でした。重量から計算すると、米国産は中国産の約2.5倍。件数から計算すると、米国産は中国産の約3分の一です。日本が輸入する中国産の食品で上位5位までの商品を挙げると、第一位はユリ科の野菜(玉ねぎ、ねぎ、ニンニク等)、第二位は野菜および冷凍野菜(里芋、枝豆、ほうれん草等)、第三位はトウモロコシ、第四位は水煮野菜(筍、アスパラガス、トマト等)、第五位は漬物野菜(きゅうり、大根、しょうが等)。日本が輸入する米国産の食品は主に、トウモロコシ、大豆、小麦、豚肉等です。
――中国産の食品は、輸入検査結果から見てどういったところが、メディアが大きく取り上げられているのでしょうか?
厚生労働省のウェブサイトで公開しているデータを見ると、2006年日本が受理した国外の国や地域の輸入食品申請は約185万件。そのうち検査で、日本食品衛生法に違反する残留農薬や有害物質等が出たのが1580件。うち中国産が530件で、国別では第一位となっています。次に米国産の239件、ベトナム産149件、タイ産120件、エクアドル産69件。検査結果からすると中国産の不合格数が最も多いのですが、検査件数からみた不合格率は決して一番高いわけではありません。結果から見ると、不合格率の高い順位挙げると、第一位がエクアドル産3.9%で、次にベトナム産、アメリカ産、タイ産、中国産と続きます。重量から計算した不合格率は中国産0.07%、アメリカ産1.13%で、ここでも中国が一番高いわけではないのです。メディアの報道する中国産の食品問題は、多くが不的確であるといえます。
「人民網日本語版」2007年8月21日