第10期全国人民代表大会の常務委員会・第29次会議の第3回全体会議が29日午前に行われ、国家発展改革委員会の馬凱主任による、今年に入ってからの国民経済と社会発展計画の執行状況報告が公表された。報告には、今年上半期の経済の安定的な成長を認めると同時に、下半期において住宅、就業、物価等の重大な民生問題を解決することに力を注いでいくと述べている。
五大潜在的リスクを軽視してはならない
今年1~7月における経済成長に関するデータを見ると、主要経済指標は目立った成長が見られる。上半期の中国国内のGDPは11.5%増、1~7月の全国の財政収入は30.3%の増加、7280億元の増収となった。このほか、数々の政策や調整により、投資面は大幅に降下し、銀行系統の流動性供給の過剰をある程度抑えた。
馬凱氏は、「今年に入って、国民経済と社会発展は全体的によい傾向にあり、安定した経済成長を実現したとともに、国民が得られる利益は明らかに増えた」と述べている。馬凱氏はまた、5大潜在的リスクを軽視してはならないことを指摘。投資の大幅な増加、貸付の増大、貿易輸出超過(黒字)が目立ち、エネルギー節約、廃棄物減少の課題は厳しい状況にある。小売物価は大幅に上昇している。また農業の安定的な増産と農民の増収の持続に不利な原因が多くある。都市の住宅費の大幅な上昇など国民の利益と直接関わる問題は、早急な解決を要する。
物価の上昇は食品の値上がりが要因
今年1~7月において、消費者物価指数(CPI)上昇率は3.5%に達し、前年同期比2.3ポイント増となった。うち、7月度のCPIの増加率は5.6%、この10年来の最高を記録した。国家発展改革委員会の馬凱主任は、今年に入ってからの価格上昇の主な原因は、食品価格の大幅な上昇だとしている。うち1~7月の食品価格の上昇率は8.6%に及び、CPIを2.8%引き上げた。馬主任は、今後、更に食糧の省長責任制と副食品の市長責任制を強化し、主な副食品の供給を確保すると述べ、ほかに各主管部門が監督管理を強化し、違法行為の摘発に力をいれていくとしている。
一部都市の不動産価格が大幅に上昇
国家発展改革委員会の馬凱主任はまた、一部の都市の不動産価格の上昇率が大きいことを挙げている。データによると、今年7月、全国70の大・中都市の新築分譲住宅の価格は前年同期比8.1%上昇した。上昇率は前月比0.7ポイントアップ。馬主任は今後の不動産業のコントロールについて、地方政府による不動産価格の安定と住宅保障面での責任を強化し、建設用地における住宅用地の比率を高め、価格が安く、面積が小さい普通型分譲住宅および経済適用住宅(中低所得世帯向け分譲住宅)の比率を高め、安価な賃貸住宅制度の構築を加速していくとしている。
「人民網日本語版」2007年8月30日