米国が世界貿易機関(WTO)の紛争解決機関に中国の出版物・音響映像製品市場への参入に関する小委員会(パネル)の設置を要請した問題で、中国側は22日の初会合でこれを拒否するとともに、米側の行動に遺憾の意を表明した。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
中国代表の盧先コン参事官は会合で「中国は01年のWTO加盟以来、出版物市場への参入を含め、関連承諾事項を真摯に履行してきた。中国は現在、承諾に従い、年間20本の映画、約50万件の各種出版物、生産国の異なる無数の音響映像製品を輸入している。関連市場への他のWTO加盟国の参入に、中国がすでに非常に良い機会を提供していることは明白だ」と述べた。
盧参事官は「米側がこうした事実を無視し、協議の過程、およびその他の場で中国側が行った説明を顧みることもせず、本件でのパネル設置をWTOに執拗に要請していることを、中国側は非常に遺憾に思う」と強調。「これらの情況に鑑み、またWTOの紛争解決規則に基づき、中国は米側のパネル設置要請を拒否する」と述べた。WTOの紛争解決規則では、パネル設置要請は1回だけ拒否することができる。
米側は今年4月、出版物・映画・音響映像製品の輸入を制限しているとして、WTOの紛争解決機関に中国を提訴。紛争解決手順に従い、中・米両国は6月と7月に協議を行ったが、米側は協議ではその配慮への解決ができなかったとして、本件の調査と裁決を行うパネルの設置を要請した。
「人民網日本語版」2007年10月23日