中国人民銀行(中央銀行)の易綱・行長助理はこのほど、「第1回交通銀行経済学者フォーラム」で、「現在は社会保障制度を健全化する好機だ。」と指摘した上で、国家の税収や株式市場が順調な状況を生かし、国家が保有する株式の一部を使って、社会保険個人口座の充実を図るべきだと指摘した。
易助理は、「経済学者が過去に中国経済について言及する際、2つの目に見えない財政赤字をしばしば指摘した。一つは銀行が抱える巨額の不良債権、もう一つは社会保険料の未納だった。銀行の部分に関しては、5年間にわたる銀行改革により、不良債権は減少し、自己資本比率が大幅に高まった。いま仮に政府が保有する上場銀行株式を使って、個人口座の充実を図れば、2つの目に見えない財政赤字は全て解決できる」と話した。
易助理によれば、過渡期にある国家では、多くの国が銀行改革の一環で株式を市民に分配しているが、一部はすぐに市民によって売却され、結局は少数の株主に集中してしまう。そこで、易助理は、国家が保有する株式の一部でポートフォリオを組み、社会保険の個人口座の充実を図れば、技術上の設定により、市民は株式をすぐには売却できず、60歳にならないと給付が受けられない仕組みとなると説明。収入分配に好都合なばかりでなく、低収入者にも有利だ。
「人民網日本語版」2007年11月6日