「重慶両路寸灘保税港区」がこのほど、国務院からの設立認可を受けた。中国内陸部で初の保税港区となり、中西部地区の対外開放と発展を大きく推進する役割が期待される。重慶保税港区開発有限公司と保税港区管理委員会は18日、正式に運営を開始する。「新華網」が伝えた。
重慶市の黄奇帆・常務副市長は、「重慶寸灘保税港区は、航空輸送の放射性と水陸輸送の低コストという2つの長所を結びつけた中国で唯一の内陸保税港区となる。保税物流のレベルが最も高く、政策面での優遇が最も大きく、機能が最も全面的で、地理的位置が最も優れた保税港区としてこれを作り上げ、中西部地区の内陸都市の開放を加速するための推進器としての役割を発揮させていきたい」と語る。
計画によると、重慶寸灘保税港区は2015年に建設を終え、100万平方キロに広がる物流ネットワークの拠点となる。黄副市長によると、水・陸・空の交通手段を活用できる重慶市は物流分野での大きな優位性を誇る。長江では、5千トン級の船舶が一年を通じて通航可能だ。三峡ダムの貯水が海抜175メートルに達したことで、8千トン級の船舶や1万トン級の貨物船列も重慶市中心部に直接航行できるようになった。
「企業にとっての保税港区の利点は、輸出税還付・輸入保税・区内貿易非課税などの政策を受けられることだ。重慶税関は保税港区を出入りする貨物に対し、▽事前申告▽着荷検収▽貿易貨物の輸出地側だけでの通関▽保税管区と重慶市内の税関区との間での通関場所の移動や監督管理プロセスの簡略化----などの措置を取る。例えば、四川省や貴州省などの貨物は現在、広州や上海などで税還付などの手続きを行っており、これには1週間ほどの時間がかかる。だが今後は、重慶の保税港区に来ればすぐに手続きを行うことができ、資金圧力の減少が可能となる。また保税港区での取引は非課税となる」と黄副市長は説明する。
重慶市が保税港区を設立するという情報を受け、ここ一週間ほどの間にさまざまな企業が動きを見せ始めている。ヒューレット・パッカード社は11日、デスクトップとラップトップを同地で生産する、同社としては中国初の総合的パソコン生産拠点を重慶市で起工した。2010年までに500億元規模の産業リンケージを形成する見込みだ。世界500企業のひとつでもあるグレインジャー社も数日前、重慶市に正式参入している。世界最大の物流施設の開発・サービス企業であるプロロジスと重慶佰富実業有限公司もしばらく前、保税港区内の物流パーク建設プロジェクトでの協力関係を結んだ。総投資額は6億元に達するという。
「人民網日本語版」2008年12月17日 |