▽コスト引き下げ、リスク回避
中国の関連規定によると、対外貿易で使用できる通貨は米ドルに限られている。いわゆる人民元建て国際決済とは、国際取引で人民元を直接使用すること、輸出入にあたり人民元で価格を計算し決済を行うことをいう。中央財経大学中国銀行業研究センターの郭田勇主任によると、人民元建て国際決済とは、貿易を営む企業が人民元を直接使用して決済を行い、貿易取引コストを大幅に引き下げると同時に、米ドルの下落によるリスクを回避できるようになることを意味するという。
実際2007年以降、人民元を国際決済に使用しようという声がますます高まっている、07年5月には東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と日本、中国、韓国の財務相が地域的な外貨準備の通貨バスケットシステムについての話し合いで合意に達し、人民元を当該地域の最重要通貨の一つとすることを確認した。08年末現在、国務院は広東省、長江デルタ地域と香港・澳門(マカオ)地域、広西チワン族自治区、雲南省とASEANとの貨物貿易で、人民元建て決済を試験的に行うことを決定し、これにより人民元の国際決済がスタートした。
人民元の国際決済業務を取り扱う銀行は多くの利益を得る見込みだ。最もわかりやすいのは、銀行の中間業務が大幅に増加し、人民元の現金調達量が大幅に増加するということだ。郭主任は「海外支店の数が多いため、競争では中国銀行が最も優位に立っている」と話す。
「人民網日本語版」2009年3月24日
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