華晨社はこれについて、「オーストリアとオランダ、スイスの3カ国の衝突実験機関が同時に実験に参加したが、いずれも3つ星の評価を与えた。このような大きな違いは、ADACのような民間機構の信頼性への疑いと、実験以外に目的があるのではという疑いを抱かせるものだ」とコメントしている。
中国の自動車メーカーが衝突実験でのトラブルを経験するのはこれが初めてではない。華晨社の「尊馳(BS6)」は欧州市場に入ったばかりの2年前、ADACの衝突実験で一つ星の評価に終わり、ドイツの現地メディアから「中国からの鉄くず」と笑われた。
ある消息筋は、「ADACの評価基準引き上げは、海外の競争相手を締め出すために設けられる遠回しの貿易障壁の一つだ。華晨の欧州への輸出は世論の影響ですでに低下している」と指摘する。
業界関係者はこれに対して、「中国の自動車が欧米市場に入るには、衝突実験のほかにも多くの難題がある。安全装置の面での改善が必要なだけでなく、クオリティーの面でも急速な改善が必要だ」と語る。
専門家によると、華晨はまず国内市場に立脚し、クオリティーを高める必要がある。「国内市場での安定が得られる前から世界への進出を急いではならない。中国ブランドはまだ、欧州市場への輸出の準備ができていない。これを解決しなければ、自動車の安全・環境保護の高い基準に対する弱点は今後も存続していくことになるだろう」
「人民網日本語版」2009年4月14日
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