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中国、「超主権準備通貨」の主張を正式に提起
発信時間: 2009-06-29 | チャイナネット

中国人民銀行(中央銀行)は26日、「中国金融安定報告(2009)」を発表した。周小川総裁が3月に「国家主権を超えた準備通貨」の構想を提出してから初めて、中央銀行がこの主張を正式に打ち出した。「国際金融報」が伝えた。

▽「超主権国際準備通貨」の設立を主張

報告によると、中国中央銀行は今後、国際通貨システムの改革に努め、国際準備通貨が「安定した通貨価値、秩序ある需給、調節可能な総量」という方向に改善するよう促し、世界の経済と金融の安定を根本から維持していく構えだ。主権通貨が準備通貨であることの内在的な欠陥を回避するためには、長期的な価値安定が可能な、主権国家を離れた国際準備通貨を作り出すことが必要となる。

中国社会科学院世界経済政治研究所の余永定・所長によると、国際通貨システムが不安定となっている主因の一つは、ドルが基軸通貨になっていることだ。そのため、新たな国際準備通貨によってドルを代替することが、国際通貨システムの改革における中心的な問題となる。

国家外貨管理局国際収支司の管濤・副司長によると、超主権準備通貨でドルを代替するにはまず、米国の賛同を得る必要がある。もしも既得利益を維持するために消極的な態度を米国が取るならば、超主権準備通貨の設立には大きな困難が伴うこととなる。管氏によると、国際通貨システムの改革を中国が積極的に促進しているのは、基軸通貨としてのドルを排除・代替するためではなく、限りある可能な改革を通じて中国の利益を最大限に維持・実現するためだ。さらに国際通貨システムの改革を通じて、準備通貨の発行国とりわけ米国のマクロ経済政策に対して外部からの制約をかけ、これに対して国際的な義務を引き受けるよう求めるというねらいもある。

▽「特別引き出し権(SDR)」を強調

中国中央銀行の報告はさらに、特別引き出し権の役割を十分に発揮するべきだと強調した。国際通貨基金(IMF)加盟国の準備通貨の一部をIMFが集め、少数の準備通貨への過度の依存を弱め、危機対応と国際通貨金融システムの安定維持に向けた国際社会の能力を高めるねらいだ。

「人民網日本語版」2009年6月29日

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