青海省と西蔵(チベット)自治区を結ぶ青蔵鉄路は開通3年来、延べ830万人余りの旅客と6221万トンにのぼる貨物を輸送し、青海省とチベットの経済・社会の発展に大きな可能性を切り開いてきた。データによると、チベット自治区のGDPは07年と08年、前年比それぞれ14%と10.1%の成長を記録した。チベット経済の発展に青蔵鉄路が果たした役割は大きい。
鉄道沿線の野生動物のとどこおりない移動を確保するため、青蔵鉄路には、高架部分やトンネル部分を線路に設けてその下や上を動物が通れるようにしたり、線路両側の盛り土の傾斜を緩くして動物が通れるようにしたりといった工夫がなされている。動物用に作られたこれらの通路は33カ所におよぶ。これまで3年間の観測では、チベットアンテロープなど野生動物の餌探し・移動・繁殖への鉄道運行による影響は見られていない。青蔵鉄路沿線は600キロの長さにわたって緑化され、その面積は450万平方メートルに達する。
青蔵鉄路公司の盧永忠・総経理によると、高地・厳寒・酸素不足・凍土などの厳しい環境に建設され、生態への配慮もなされた青蔵鉄路は、今後の高原鉄路建設にとってのモデルケースとなる。中国はすでに、青蔵鉄路の延長線となる「ラサ・日喀則(シガツェ)」「ラサ・林芝(ニンティ)」「格爾木(ゴルムド)・庫爾勒(コルラ)」など6本の幹線と数本の支線を「中長期鉄路網計画」に組み入れている。
「人民網日本語版」2009年7月2日