中国人民大学の鄭鳳田教授はこのほど、中国の世界的ブランドの問題をめぐって「広州日報」に論考を寄せた。主な内容は次の通り。
中国にはなぜ世界的に有名なブランドが少ないのだろうか。米国誌「ニューズウィーク」は最新号の中で、4つの原因があるとの分析を発表した。すなわち(1)国内の競争が熾烈で、企業の利益が極めて低い(2)ブランド構築に向けた営業販売技術を掌握していない(3)国有企業の財産権があいまいで、成長の障害になっている(4)少なからぬ独占的な国有企業は、一般の消費者にうまく対応できていない??の4点だ。私はより深層レベルの原因があると考える。それは主に次の3点だ。
第一に、欧州、米国、日本に比べて、中国は開放スタートの時期が遅く、中国企業の海外進出の時期はさらに遅い。改革開放の30年間に中国が戦略的に最も強調したのは海外からの導入で、海外進出が本当に重視されるようになったのはここ数年ほどのことだ。だが、さまざまな海外進出政策はなお基本的に模索の段階にとどまっている。これが中国に現在、世界的に有名なブランドが不足している最も核心的な原因だ。欧州の老舗企業は世界市場において数百年の歴史を有している。中国は改革開放の30年間にも、基本的には海外からの導入を中心として、海外進出は基本的にはそれほど重視されなかった。後には、多国籍企業はすべて大企業であるとみなして、合併を大いに実施したが、その結果は、たとえ小柄な人を100人合体させても巨人にはなり得ない、というようなものだった。
第二に、海外進出を果たした一部の独占的国有企業は、独占状態にあることにより国内でスポイルされ、消費者への直接的なサービスが不得意であり、これで海外において大事業を成し遂げることは難しい。たとえば中国銀行や中糧集団は海外でしきりに合併工作を行っているが、これらの企業は特殊な独占型企業に属しており、こうした中国国内での属性に基づく政策決定で、国際市場における競争上の優位に立つというのは困難だ。