「2009年中国商業銀行競争力評価報告」が15日に北京で発表された。それによると、2008年は金融危機が世界中にダメージを与えた年だったが、中国の都市商業銀行が急速に発展し、激しく分化した年でもあった。地域の銀行やコミュニティの銀行は成熟への道を歩んでおり、多元的な銀行システムが徐々に形成されている。中新網が伝えた。
同報告は経済誌「銀行家」が編集したもので、同誌の編集長である中国社会科学院(社会科学アカデミー)金融研究所の王松奇副所長(教授)が編集チームの代表を務めた。08年度の各銀行の基本的な業績や動きを中心に、過去数年間の発展ぶりを加味し、競争力指標システムを利用して評価を加えており、商業銀行の競争力の最新の発展局面を全面的に反映したものとなっている。また商業銀行の競争力向上に向けた参考資料にもなるものだ。
同報告によると、金融の独占情況が市場化改革の進展に伴ってうち破られ、市場の形成に見合った金融業界の局面が生まれつつある。新たな情勢下で、銀行は業務の範囲と規模に応じて、全国的銀行、地域的銀行、地方銀行の3種類におおまかに分類することが可能だという。
08年には米国の低所得者向け(サブプライム)住宅ローンの焦げ付き問題が発端となって引き起こされた国際金融危機の影響を受けて、世界中の金融業界に激震が走った。中国銀行業のマクロ環境は引き締めから緩和へという劇的な変化を経験したが、対外開放レベルが限定的であったことや、ここ数年間の銀行改革がもたらした管理レベルの向上などが奏功して、中国の経済・金融の運営状況は相対的に順調だった。銀行業は厳しい挑戦に積極的に対処し、全体的に順調な発展を遂げた。
同報告は、「2008年度最優秀商業銀行」に招商銀行を、「全国的商業銀行財務評価優秀銀行」に中国工商銀行を、「08年度リスク管理最優秀銀行」に中国建設銀行を、「最優秀IT(情報技術)銀行」に中国交通銀行をそれぞれ選出した。
「人民網日本語版」2009年8月17日