17日、海洋掘削プラットフォーム「藍鯨一号」によるメタンハイドレート試験採掘現場にて(新華社撮影)。
中国国土資源部地質調査局は、南中国海北部の神狐海域で可燃氷(メタンハイドレート)の試験採掘に成功したことを明らかにした。メタンハイドレートの埋蔵資源は水深1266メートルの海底の地下203-277メートルに存在し、5月10日より天然ガスを取り出す作業を行っていた。5月17日15時の時点で、採掘量は合計12万立方メートル、生産量は1日あたり最大3.5万立方メートル、平均1.6万立方メートル以上で、メタンの含有量は最高99.5%に達する。
中国が海域でメタンハイドレートの採掘に成功したのはこれが初めて。これにより中国のエネルギーは安定的に確保され、エネルギー構造改善も促す。世界のエネルギー供給構造を変えるうえでも大きな節目となる。
試験採掘の現場で総指揮を採る葉建良氏は「海洋のメタンハイドレートの研究について、中国は1995年に開始し、2007年5月に実物サンプルを採取した。そして世界で4番目に国家級開発プロジェクトを通じてメタンハイドレート発見に成功した国となった」と説明する。
可燃氷(メタンハイドレート)は天然ガスハイドレートとも呼ばれ、メタン分子と水分子がが低温かつ高圧の条件下で結合してできた化合物だ。形は氷に似ているが火をつけると燃えるため、そう呼ばれる。発熱量が高い、クリーンな新型エネルギーで、広範囲に分布し、埋蔵量も多い。1立方メートルのメタンハイドレートを分解すると、約0.8立方メートルの水と164立方メートルの天然ガスが生成される。エネルギーの密度が高く、資源の潜在力は巨大。その資源量は、世界で明らかになっている伝統的化石燃料の2倍に相当するとみられている。人類の1000年分の需要を満たせる新エネルギーとの高い評価もあり、石油・石炭などの代替エネルギーとして期待されている。