英国人が理解不能な「狂気じみた鉄道」
BBCは2016年の記事で、同鉄道の計画の実現性を疑問視していた。英国議員は100年以上まで、この鉄道を「狂気じみた鉄道(lunatic line)」と呼んでいた。英国植民当局者とケニア現地人はかつて、ここで大きな命の犠牲を強いられた。
ナイロビ鉄道博物館には現在も、100年以上前の虎の手(3本)という、特殊な収蔵品が残されている。
Elias Randiga研究員補佐は「これらの手は1896年の鉄道建設中に、労働者を襲った虎のものだ。凶暴な虎は当時、しばしば鉄道沿線を訪れ人間を襲い、さらには人間を食べることもあった。ケニアの労働者と英国の当局者は、虎により命を落とした」と述べた。
ナイロビ鉄道博物館の統計データによると、約100人が虎に襲われ死亡し、さらに疾患やその他の動物により4000人が命を落とした。英国植民当局が建設した、このケニアとウガンダを結ぶ鉄道は、1キロ当たり4人の命を犠牲にしている。
モンバサからナイロビに向かうためには、東アフリカ大陸の奥地に入る必要があり、厳しい自然条件にさらされることになる。ケニアは野生動物の観光で知られる。虎、ライオン、象、サイなどの野生動物は、人間の脅威になる。また現地は気温と湿度が高く、沼地が広がっているため、マラリアの感染が急速に広がる。屋外の技術者の健康が、常に脅かされる。
しかし中国路橋は施工中、現地の自然環境の制限を十分に理解した上で、巧妙に困難を乗り越えた。人民日報の報道によると、沿線の野生動物の種類、移動ルート、活動の特徴に基づき、技術者は野生動物が用いる橋を設置した。橋の下には高さ7メートル以上の空間があり、キリンでも軽々と通過できる。同鉄道の全区間に、このような野生動物の通過点が14カ所設けられた。鉄道の両側には柵が設置されており、動物と列車の衝突を回避できる。
中国側の技術者による念入りな手配により、同鉄道が順調に完成し、環境の要素にあまり影響されなかった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年5月31日