6月1日の共同記者会見の様子

「欧州連合（EU）が『中国の世界貿易機関（WTO）加盟議定書』第15条の条約義務を履行することに、ドイツが支持を表明した。中国はドイツの行為を称賛する」。李克強総理は6月1日、ドイツのベルリンにある連邦首相府で開かれたメルケル首相との共同記者会見でこう述べた。

メルケル首相は、「『中国のWTO加盟議定書』第15条は昨年すでに期限が到来した」と指摘。ドイツ側は、「EUは全ての国を同等に扱い、中国に対して非差別的な解決案を探すことに注力すべき」との見方を示した。

メルケル首相は「李克強総理とこの問題について話し合った」とし、「ドイツはWTOの原則と規則を支持する。また、EUが『中国のWTO加盟議定書』第15条の義務を履行することも支持する」と述べた。

中国は2001年に「中国のWTO加盟議定書」に署名した。その際、第15条の規定で、WTO加盟国は中国の輸出品に対する反ダンピング調査において「代替国」としての算定方式の適用を2016年12月11日で終了することが定められた。しかしその後、一部の国は「市場経済国」としての考え方とこの規定を抱き合わせにし、条約義務の履行を拒否している。