江蘇省の南京溧水経済開発区にある開沃新能源汽車集団の軽自動車組立工場で組立作業を行う工員たち(写真=新華社提供)
中国のマクロ経済の四半期モデル予測によると、2021年の国内総生産(GDP)成長率は7.8%と、前年比で大幅に回復する。四半期で見ると、年の前半が高く後半は低めとなる見込みで、第1四半期のGDP成長率は2桁台に乗る可能性がある。注意すべきは、成長率の大幅な回復の要因の一つに、昨年の数字が低すぎるということがあり、経済成長の中長期的な傾向ではない点だ。また、定性要因から分析すると、サプライサイドおよびデマンドサイドの実情と一致している。
サプライサイドから見ると、中国は経済の新業態・新モデルの成長を力強くサポートし、発展の新たな動力源を育んでいる。特にデジタル経済は絶えず大きく成長し、モデルチェンジとアップグレードは着実に進んでいる。新型コロナウイルス感染症の対策期間中、オンラインサービスや産業のデジタル化、新たなミクロ経済、シェアリングエコノミーなどの新業態・新モデルの健全な発展といったデジタル経済の何物にも代え難いプラスの効果は、経済・社会の発展を推し進める新たなエンジンとなっている。
一方、デマンドサイドから見ると、2020年の世界の貨物貿易は減少したが、中国は迅速かつ有効に新型肺炎を抑え込み、それに加えて整った工業生産システムと産業チェーンを有することから、企業は業務再開を加速させ、世界で一部の製品供給がストップする状況下で、海外からの発注は次第に中国へ向けられるようになり、マスク・医療設備などの防疫物資や在宅ワーク、巣ごもり生活のニーズが大幅に増加し、国際市場における供給不足を有効に補った。昨年1~9月、貨物・サービスの純輸出増はGDPを0.1ポイント押し上げ、上半期に比べて0.3ポイント増加した。2021年のグローバル経済は回復的成長が生じる可能性が高く、国際市場の需要はさらに回復し、中国の輸出に引き続き安定的成長をもたらすだろう。
生活と生産が秩序立って回復し、消費需要が徐々に好転し、とりわけ外食や旅行を楽しむ人々が増えるにつれ、飲食関連のサービス業では回復が顕著に見られる。消費の回復は中国国内における新型肺炎の予防・抑制の成果が生み出した消費環境の改善、経済の回復によるもので、とりわけ雇用の増加によってもたらされた人々の消費力の向上、政府が打ち出した自動車およびサービス消費を後押しする政策効果が生じている。人々の消費のニーズが増すにつれ、経済成長に対する消費の牽引効果も顕著に強まっている。今年の消費は力強い回復傾向を見せ、経済成長に対する消費の基本的な効果に変化はないだろう。
需要の回復、5Gネットワークやビッグデータセンターなどの大規模な新インフラ建設プロジェクトの推進加速化、企業利益の増加は投資増のために良好な基礎を打ち固めており、固定資産投資は依然として経済成長を牽引する主な原動力であり、その中で製造業への投資が新たな注目点となっていくだろう。