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japanese.china.org.cn |17. 06. 2022

中国の人々の血脈に流れる起業魂

タグ: 起業
北京週報  |  2022-06-17

「石橋を叩いて渡る」「寄らば大樹の陰」「千里の道も一歩から」……いずれも地道にコツコツと頑張り、安定を求める日本人の姿をよく表すことわざである。

日本人に「あなたの好きな言葉は何ですか?」と聞いた時に、これらを挙げる人はおそらく少ないだろう。だが、実際のところ大半の日本人は、まさに前述のことわざ通りの生き方を選んでいる。

近年、日本では人々の起業熱を高める取り組みについて、さまざまな議論がなされている。そんな中、安定第一という考えが消極的に聞こえるのは確かであり、多くのメディアは「もはや一生同じ会社にしがみつく時代ではない」などと伝える。

しかし、差し出がましいこととは理解しつつも、一人の日本人である筆者が多くの同胞の心を勝手に代弁すると、ハイリスク・ハイリターンの人生で大失敗をするくらいなら、勤め先でそこそこの給料がもらえて、人並みの生活が送れればそれでいい。大企業に勤めるか、もしくは公務員にでもなって定年まで働き、立派に家族を養うことができたなら、それはまぎれもなく成功者である--。むろん、そう考えない人も若者中心に少なからずいるだろうが、何だかんだ言っても日本人は安定志向なのだ。

それに対し、中国の人々の起業熱はすさまじいものがある。人に使われるくらいなら、たとえ小さな商売であっても自分のために汗を流す--誰もが大なり小なりこのような考えを持っているとしか思えないほど、こちらの人々は起業に積極的だ。

上海で会社経営をしている日本人の友人によれば、これまでに何人もの中国人社員が独立するといって退社していったという。このような独立心の強い人はある程度仕事を覚えると、自分で会社を立ち上げてやった方がいいと考える。もちろん失敗のリスクはあるけれど、そんなことで臆したりはしない。良く言えばポジティブシンキング、悪く言うなら向こう見ずということだが、いずれにせよ起業のチャンスが目の前にあるなら、それをつかむべきだと考える中国の人々が多いのは確かである。

そうして生まれたベンチャー企業のうち、全てが生き残れるわけでは決してない。だが、一定数は成功し、その中からは短期間に飛躍的な成長を遂げ、莫大な利益を生み出すユニコーン企業も誕生する。情報技術の応用をはじめとする中国のさまざまなイノベーションは、そのようなスタートアップ企業から生まれたものも数多い。つまり、旺盛な起業熱は現代中国における経済やテクノロジー、エコといったあらゆる面での革新と不可分のものなのだ。

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