経済> |
japanese.china.org.cn |29. 07. 2022 |
【ランキング】自動車大国中国の生産拠点都市はどこか?
〜2020年中国都市自動車産業輻射力ランキング
雲河都市研究院
■ 世界最大の生産量を誇る中国自動車産業
新型コロナウイルスパンデミックにより、世界の自動車産業も大きな打撃を受けている。2020年の世界自動車生産台数は前年比-15.8%の約7,762万台にまで落ち込んだ。2021年には、生産台数ピークを迎えた2017年の82.4%に当たる約8,015万台にまで回復した。
現在、世界の自動車製造業の中心に位置するのは中国である。図1より、2021年国・地域別自動車生産台数ランキングをみると、トップは圧倒的に中国であり、その生産台数は2,608万台にまで及んだ。これは、世界生産台数の約32.5%に当たり、2位アメリカの約3.1倍の規模である。中国の自動車生産台数は、いまや2〜5位のアメリカ、日本、インド、韓国の合計よりも多い。
図1 2021年国・地域別自動車生産台数ランキング
出典:国際自動車工業連合会(OICA)データベースより雲河都市研究院作成。
注:インドは一部メーカーの生産台数が含まれていない、ドイツ・フランス・アルゼンチンは乗用車・小型商用車のみ、ハンガリーは乗用車のみ。
■ WTO加盟以降、急成長を遂げた中国自動車産業
図2より、2000〜2021年の主要国別自動車生産台数推移をみると、中国の自動車産業は、WTOに加盟した2001年以降、急成長を遂げたことがわかる。自動車産業は中国の高度経済成長を支える主要なエンジンのひとつとなっている。2008年にはアメリカを抜き世界第2位に、翌年の2009年にはリーマン・ショックで世界の自動車生産台数が落ち込む中、中国は日本を抜いて世界トップに躍り出し、以降は独走を続けている。
一方、日本は2006年にアメリカを抜き世界第1位の座を奪い取ったが、2009年に中国に抜かれ、2011年にはアメリカに抜かれて世界3位に転落し、以降は中国及びアメリカとの差が拡大している。
図2 2000〜2021年主要国別自動車生産台数推移
出典:国際自動車工業連合会(OICA)データベースより雲河都市研究院作成。
注:インドは一部メーカーの生産台数が含まれていない、ドイツ・フランスは乗用車・小型商用車のみ。
■ 新型コロナウイルスパンデミックでも拡大した中国の自動車輸出
新型コロナウイルスパンデミックは、グローバルサプライチェーンに大打撃を与え、世界の自動車輸出もその例外ではない。図3より、2020年国・地域別自動車輸出額ランキングをみると、上位30国・地域のうち、中国、スロバキアを除く28国・地域はすべてマイナス成長であり、多くの国・地域が2桁台のマイナス成長に陥った。世界全体の自動車輸出は-14.7%成長である中、中国の自動車輸出は3.4%のプラス成長を遂げた。
中国は生産台数が巨大な一方、自動車輸出額ランキングではまだ世界5位に留まる。これに対して東京経済大学の周牧之教授は、「中国で生産された自動車は多くが現状では国内で消費されているが、巨大マーケットに支えられ、やがて世界最大の自動車輸出大国になる」と予測している。
図3 2020年国・地域別自動車輸出額ランキング
出典:国連貿易開発会議(UNCTAD)データベースより雲河都市研究院作成。