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japanese.china.org.cn |07. 11. 2022

中国企業の社会プロジェクト、ブラジルの貧困村の女性に希望をもたらす

タグ: ブラジル 中国国家電網ブラジル控股公司 資金援助
中国網日本語版  |  2022-11-07

 ブラジル北部のトカンティンス州にはマリアディニアという小さな村がある。奴隷制の時代に逃げた奴隷が定住してできた村で、現在の村人はその子孫だ。このような村は通常、交通の便が悪い密林や荒野に位置し、人々は非常に貧しい生活を送っている。

 

 ところが昨年以降、ある果物加工場が正式に稼働開始すると、マリアディニアの村に住む女性の生活に大きな変化が生じた。村人のマレーナさんは新華社に、自身の生活の変化を話した。


 

 ブラジル・トカンティンス州マリアディニアの自宅で10月4日、果物加工場の作業員のマレーナさんが、新しく購入したパソコンを使った。新華社記者・王天聡撮影

 

 「以前は専業主婦だったが、昨年から職を手にした。現在は自分で稼いだお金でソファーや冷蔵庫を購入し、携帯電話を一括で購入した。自宅の外壁も塗装を開始した。夢が一つずつ叶った。自宅ではインターネットが使えるようになった。私はインターネットで業務連絡、調達、販売を行えるようになった」マレーナさんは記者を自宅に招待し、休むことなく話し続けた。

 

 マレーナさんが働いている果物加工場は、中国国家電網ブラジル控股公司(以下「同社」)の資金援助で建設された。同社の基礎環境保護計画のプロジェクトで、現在の従業員数は10人(うち女性は9人)。

 

 同社環境・社会・企業ガバナンスコーディネーター(以下「同氏」)によると、ブラジルで規模が2位の水力発電所であるベロモンテ水力発電所の2期送電・変電プロジェクトの建設期間中、建設人員は送電線が同村の付近を通過することから村人と座談し、現地に大量の果樹があることを知った。村人は果物加工場を建設したかったが、現地の水質が悪かった。そこで同社は村と協力し井戸を2本掘ることを決定した。質の良い水源を提供し、果物加工場を建設しようとした。

 

 同氏は、「取り組みを経て、当社は工場建設の環境保護面の許可を受け、当社の基礎環境保護計画に収めた。このプロジェクトにより村に持続可能な発展をもたらそうとした」と述べた。

 

 同社は2018年11月に同村と協力し工場の建設を完了し、19年より村人向けに果物の収穫や機械の使用などの訓練を開始した。工場は21年の年初に営業許可を受け、同年8月より正式に稼働開始した。工場で生産されるジャムの材料は、アセロラ、マンゴー、パイナップル、パッションフルーツなどの現地生産の果物だ。


作業員と一緒に働く食品工学学者のグラシエラ・パルド氏(右) 新華社記者・王天聡撮影

 

 食品工学学者のグラシエラ・パルド氏は同社が契約し招聘した専門家で、現地の村人にジャム作りを教えた。生の果物の保存、果物の加工、標準的な包装、品質保持期限の管理などの訓練を行い、バイヤーとも連絡をとった。

 

 パルド氏は、「ここは交通の便が悪く長時間かかるが、その価値はある。彼女たちが夫に頼らず、労働によって生計を立てるのを見れるからだ。彼女たちは女性、黒人で、都市から遠く離れた、ほとんど社会から忘れられている人々だが、今や家の大黒柱になっている。私は彼女たちのことを誇りに思う」と述べた。


 

ブラジル・トカンティンス州マリアディニアで10月4日、作業員が果物を収穫した。新華社記者・王天聡撮影

 

 ブラジル国立供給会社は果物加工場と契約し、そのジャムを公立学校の小学生の間食に供給している。また工場はさらにホテルや民間機関と供給契約を交わしている。果物加工場の作業員の平均年収は8000レアル前後(1レアルは約29.25円)。

 

 マリアディニア村がある草原地帯は昼夜の気温差が激しく、糖分の貯蔵に適していることから、ジャムの味が良い。製品の販路がスムーズに切り開かれ、注文が多い時期には付近の市場から果物を調達し補充する。そのためマレーナさんは自宅に果樹を植えようとしている。

 

 マレーナさんは、「中国企業には感謝しかない。工場がますます大きくなり、製品がますます遠くに売られることを願っている。希望があれば、努力によりきっと実現できる」と述べた。


  「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年11月7日