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japanese.china.org.cn |29. 03. 2023 |
メガシティの時代:中国都市総合発展指標2021ランキング
雲河都市研究院は、中国における地級市以上の297都市(日本の都道府県に相当)を対象とした〈中国都市総合発展指標2021〉の総合ランキングを発表した。北京が6年連続トップ、上海が2位、深圳が3位となった。
中国共産党中央財経領導小組弁公室元副主任、全国人民政治協商会議常務委員の楊偉民氏は、「私にとって親しみ深い〈中国都市総合発展指標〉が約束通り再び公表された。この指標は、誕生以来、常に新しい発見をもたらしてくれる。今回、〈中国都市総合発展指標2021〉では、都市規模別、地域別の分析が追加された。総合指標、そして経済・環境・社会的評価を用いて、都市を規模や地域ごとに分類、比較研究し、新たな知見をもたらしている。京津冀(北京・天津・河北)、長江デルタ、珠江デルタ、成渝(成都・重慶)などの地域におけるメガシティから中小都市に至るパフォーマンスが可視化されたことで、第20回中国共産党大会(2022年10月に開催)が打ち出した、メガシティと特大都市の、発展モデルの転換を加速させる政策の背景にある深い思考が窺える」と称賛した。
1. 先進的なマルチモーダル指標で都市を「五感」で評価
〈中国都市総合発展指標〉(以下、〈指標〉)は、中国の297都市を対象とし、環境、社会、経済の3つの側面(大項目)から都市のパフォーマンスを評価したものである。〈指標〉の構造は、各大項目の下に3つの中項目があり、各中項目の下に3つの小項目が設けた「3×3×3構造」になっており、各小項目は複数の指標で構成されている。これらの指標は、882のデータセットから構成されており、その31%が統計データ、35%が衛星リモートセンシングデータ、34%がインターネットビッグデータから構成されている。この意味で、〈指標〉は、異分野のデータ資源を活用し、五感で都市を高度に感知・判断できる先進的なマルチモーダル指標システムである。
深圳市元副市長、香港中文大学(深圳)理事の唐傑氏は、「今回の〈指標〉は前年度と比較すると、総合ランキングのトップ10都市は安定しており、杭州は8位から6位に順位を上げた。中国都市勢力図では、成都、杭州、南京、重慶、蘇州が新一級の都市として安定し、北京、上海、深圳といった一級都市に追いつく勢いを強めている。〈指標〉の特徴として、経済規模、経済構造、経済効率、ビジネス環境、広域インフラ、輻射能力など9つの小項目指標が都市の経済を評価している。また、自然生態、汚染負荷、環境努力、交通ネットワークなど9つの小項目指標が都市の環境を評価している。加えて、居住環境、生活サービス、文化施設、人的交流など9つの小項目指標が社会発展を評価している。都市発展を総合的に評価するこの27の「小項目指標」は、中国都市の量的成長から質の高い発展への移行を、定量的に評価するバロメータである」と指摘する。
〈指標2021〉総合ランキングのトップ10都市は順に、北京、上海、深圳、広州、成都、杭州、重慶、南京、蘇州、天津となっている。これら10都市は、長江デルタメガロポリスに4都市、珠江デルタメガロポリスに2都市、京津冀メガロポリスに2都市、成渝メガロポリスに2都市と、4つのメガロポリスにまたがっている。
総合ランキング第11位から第30位は順に、武漢、西安、廈門、寧波、長沙、青島、東莞、福州、鄭州、無錫、仏山、昆明、珠海、合肥、済南、瀋陽、南昌、海口、三亜、貴陽の都市である。
総合ランキング上位30都市のうち、24都市が「中心都市」に属している。中心都市とは4直轄市、5計画単列市、27省都・自治区首府から成る36都市である。つまり、総合ランキングの上位30位以内に7割近くの中心都市が入っており、中心都市の総合力の高さが伺える。
図1 〈中国都市総合発展指標2021〉総合ランキング トップ100都市
出典:雲河都市研究院〈中国都市総合発展指標2021〉より作成。