第1四半期の経済データ発表　「バーベキューブーム」が淄博市の経済成長を牽引

　「バーベキューブーム」が起きた山東省淄博市は5月6日、第1四半期の経済運営データを公表した。それによると、第1四半期の淄博市のGDPは1057億7000万元で、不変価格で計算すると前年同期比4.7%増となった。うち、宿泊と飲食業の売上高はそれぞれ16％と25.2％増加した。

　淄博市の経済データは、今年に入って続いている「淄博熱」と一致している。 推計によると、メーデー連休期間中、バーベキューをするために100万人以上が淄博に殺到した。 5日間の連休期間、高速鉄道淄博駅を利用した旅客だけで24万人超え、2019年同期を55％上回った。ビッグデータによると、メーデー連休初日、淄博八大局市場の来場者数は19万人で、全国のほとんどの5A景区を圧倒するほどの人気ぶりだった。

　光り輝く淄博市の経済データの背後には、地方政府が経済振興のために行った様々な努力がある。

　淄博市は昔から続く重工業都市で、化学工業、機械電気、製紙、冶金などが主な基幹産業だった。第三次産業のバーベキューは、淄博の経済規模に占める割合はごくわずかで、経済発展の重点事業でもなかった。しかし、淄博市政府は、あえて同市の発展の中心を重工業からサービス業に切り替え、「淄博バーベキュー」の推進に力を入れた。

　淄博市政府は、「淄博バーベキュー」をブランド化するため、さまざまな行政サービス面の支援策を打ち出した。例えば、ハード面の建設では、バーベキュー専用列車や専用バス路線を開設したほか、市街区に専用のシャトルカーも配備し、手を振るだけで停車し、無料で乗車でき、観光客は儀式感を味わうことができる。ソフト面に関しては、淄博市政府は市民に対し、客にある程度の利益を譲り、利便性を提供し、四方八方から来た観光客に淄博で安心感と温もりを感じてもらえるように呼びかけた。

　メーデー連休期間中、淄博市政府は観光客向けに「淄博へようこそ、宿泊施設数に限りがあるため、事前予約をお願いします」というメッセージを送った。快適なサービスを提供するため、淄博市政府は無料のバーベキュークーポンを配布し、日帰りや1泊のバーベキュー・テーマツアーを組んだ。淄博市の質の高い行政サービスは、観光客に家に帰ったような感覚を与えた。

　「淄博バーベキュー」ブームの高まりを受け、淄博市政府は素早く行動し、絶好の機会を利用してさまざまな手段で同市の「名刺」をより大きく、より強くするために全力を挙げた。

　「淄博バーベキュー」ブームを目にし、多くの都市もその背後にある価値を認識している。 近頃、「淄博バーベキュー」を体験する人々の中に、その他の地方の政府視察団メンバーの姿も多く見られる。

　浙江大学国際連合ビジネス学院デジタル経済・金融イノベーション研究センターの盤和林所長は中国新聞週刊に対し、「現在、中国経済は内需牽引による発展という重要な時期にある。その他の都市も淄博バーベキューの成功例からヒントを得ることができる」と語った。

　その他の都市で淄博バーベキューの成功パターンを再現するには、その都市の独自の特色を見つけ出し、これらの特色を活かして持続可能な産業を掘り起こすことが必要だとの見解を示した。

　「中国網日本語版（チャイナネット）」2023年5月9日