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japanese.china.org.cn |17. 07. 2024

「航空機製造新勢力」、新エネ車の成功を複製できるか?

タグ: 航空機製造新勢力
中国網日本語版  |  2024-07-17

新華毎日電訊の記者の調べによると、eVTOL(電動垂直離着陸機)を始めとする新型航空機が現在、世界の低空経済の競争の焦点になっており、1兆クラスの新たな産業を形成する見込みだ。新たな質の生産力の代表格である中国の「航空機製造新勢力」は、技術力でも産業応用でも世界の先頭集団に入っている。新エネ車の成功を複製し、航空産業の追い越しを実現することに期待できる。

億航智能の低空飛行機のデモ飛行が6月19日、国家会展センター(天津)で行われた。新華社記者・李然撮影

中国民用航空中南地区管理局は4月7日、本社を広州市に置く億航智能控股有限公司に世界初の自動運転有人航空機生産許可証を発給した。これは同社の製品「億航EH216-S」が量産化の資格を手にしたことを意味し、次の商業化運営に向け重要なサポートを提供した。さらに昨年取得した型式合格証と標準耐空証明書が加わり、EH216-Sは世界初の「3証」が揃った自動運転eVTOLになった。

さらに国内自動車メーカーが次々と「航空機製造新勢力」に加入している。小鵬汽車傘下の小鵬匯天は、2座席の空飛ぶ車「航旅者X2」の国内特許飛行許可証を23年に取得し、昨年10月には分離型空飛ぶ車「陸地航母」を発表した。吉利控股集団傘下の沃飛長空は23年末にeVTOL AE200耐空性技術検証機の第1段階のテスト飛行を完了し、今年6月下旬に全傾転遷移飛行関連の初のデモ飛行を完了した。この2社は最近、数百機の注文を受けた。

中国航空学会の林左鳴理事長、沃飛長空の郭亮CEO兼首席科学者などの専門家は、現在の電動航空は3-5年前のEVに似ており、中国航空業の追い越しに有利な時と見ている。中国の業界をリードする整った電気自動車(EV)産業の基礎はeVTOLに高エネルギー密度のバッテリーと、高信頼性のモーター、電気制御、自動運転技術などを提供する。その一方で国産大型機の独自の研究開発はeVTOLに航空機工学設計、安全性、耐空性関連の技術及び人材を提供した。

他にも5Gと北斗技術は低空空域管理に革命的な管理手段をもたらした。これに中国が持つ世界で最も密集した都市クラスタ、最も豊富な応用シーンが加わり、この新興分野に向け世界で最も潜在力の高い市場空間を育んだ。

モルガン・スタンレーは、30年には世界で1万2000機のeVTOLが「空飛ぶタクシー」、空港バス、都市間航空便に使用され、eVTOLの市場規模が550億ドルに達すると予想。ポルシェコンサルティングの予想によると、中国のeVTOL市場規模は30年に世界の25-30%を占める見通しだ。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年7月17日