中国人民銀行(中央銀行)の報道官はこのほど、人民元レート決定システムの改革に関して、記者の取材に応えた。
――なぜ人民元レート形成システムの改革を行う必要があるのか。
人民元レート決定システムの改革推進は、対外貿易の不均衡の緩和や内需の拡大、企業の国際競争力の向上、対外開放水準の向上への必要によるものだ。ここ数年来、中国(の対外貿易収支)は経常項目、資本項目ともに黒字が拡大し、国際収支のアンバランスを激化させている。2005年6月末現在、中国の外貨準備高は7110億ドルに達した。今年に入り貿易黒字は急速に伸び、貿易摩擦がさらに深刻化している。
人民元レートの水準を適切に調整し、レート決定システムを改革することには、次のようなプラス点がある。
(1)内需を中心とする持続可能な経済発展戦略の徹底や、リソース配分の改善にプラスになる。
(2)通貨政策の独立性強化、金融調整の主体性と有効性の向上にプラスになる。
(3)輸出入の基本的バランス維持、貿易条件の改善にプラスになる。
(4)物価の安定維持、企業コストの縮減にプラスになる。
(5)企業の経営体制の転換促進、自主開発能力の強化、貿易成長のモデル転換を加速、国際競争力とリスク対応力の向上にプラスになる。
(6)外資導入構造の改善、外資の利用効率の向上にプラスになる。
(7)国内・海外両方のリソースと市場の十分な利用、中国の対外開放水準の向上にプラスになる。
「人民網日本語版」2005年7月22日