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民俗学者馮キ才氏、中国の伝統文化について語る

12月25日は西洋の伝統的な祝日、クリスマスだ。商店は様々なクリスマス商戦を打ち出し、若者たちは友達に送るプレゼントを準備している。ネット上では北京大学、清華大学など有名大学の博士10人が「西洋文化の拡大を食い止めよう」という呼びかけを共同で発表、クリスマスを慎むよう訴え、「中国人は西洋の祝日を祝うべきか」の論争が再び巻き起こった。

民俗学者馮キ才氏(中国民間文芸家協会主席)は12月24日の晩、電話取材を受けた際にクリスマスと中国の伝統文化についての考えを次のように述べた。

そんなに「緊張」する必要はない。中国人は宗教的な祝日を過ごしているのではなく、雰囲気を味わっているに過ぎない。人々は外国からの物を新鮮だと感じやすく、盲目的に受入れがちだ。大勢の人がクリスマスを過ごしているが、99%の人はクリスマスがどんな意味を持つかについて知らなくても気にしていない。

西洋の伝統的なクリスマスが宗教的な意味を持つのと比べ、中国人のクリスマスは盲目的で、大まかだ。人々はただ単に楽しいと感じ、プレゼントを交換したり、クリスマスカードを贈っている。一種の雰囲気を楽しんでいるだけで、特別な祝日という気持ちはない。

西洋の祝日が中国で広まっていくのは理にかなったことだ。人民を基本とし、文化的意味を持たない祝日は比較的伝わりやすい。たとえば、バレンタインデーや母の日は人類共有の祝日とすることが出来る。クリスマスの中国化の過程を認めるべきだ。いかなる文化の広まりもその土地の影響を受けるという問題が存在する。祝日の広まりも同じだ。中国の端午節や中秋節が韓国に伝わった後、新たな形式や内容が生まれたことがこれを証明している。クリスマスが中国で伝わる場合も同じだ。携帯で祝福のショート・メールを送り、友達とテーブルを囲むなどは、形式上の変化であり、挨拶をしたり家族で一緒に過ごすことなどは祝日に対する感情をさらに豊かにするものだ。

西洋の祝日が広まるのと反対に、伝統的祝日が日増しにひっそりとしてきていることが、多くの人が憂慮する点だ。伝統文化の背景を引き継ぐことが、伝統的な祝日を復活させる根本的な解決策となる。一部の伝統的な祝日が中断・消失したのは、実質的にはその精神を伝達する手段が存在しなくなっているからだ。生活が進歩するにつれて、中国の伝統文化も継承される中で革新され、絶え間なく新しい伝達手段形式が生まれている。多くの人々が民族の祝日が含む意味と価値に関心を持ち始めている。文化に対する自信が生まれてこそ、文化の自覚が芽生え、伝統的な祝日の文化的真髄は伝承されていくのである。

注意すべき点は二つある。一つは、伝統文化を作り上げるには市場に頼ることはできないことだ。十分な文化的自覚が芽生える前は、外からの推進力や保障制度に頼らなければならない。もう一つは、子供たちに改良された文化ではなく、あくまでも本当の伝統文化を伝えなければならない。

春節、端午節、中秋節など中国の伝統的な祝日は、世界無形文化遺産のリストに登録されているものもある。しかし保護を通じて、「健全な祝日」のなかに「感情の高まり」を体感できることを人々は希望するのであって、博物館や映像の中でその当時を懐かしみたいと考えているのではない。これこそがまさに、民間民俗文化の保護を呼びかける目的だ。

馮キ才 ※「キ」は「馬」へんに「冀」

「人民網日本語版」2006年12月26日  

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