香港が不景気のどん底に落ち込んだ2003年に、「香港は転機を迎える」と確信していた唐英年(ヘンリー・トン)氏は大きなプレッシャーの中で財務長官に就任した。香港復帰10周年を振り返り、「われわれ中国人は外国人よりりっぱであることを事実が裏つけている」、と語った。
復帰10周年の香港は台湾にとってのモデル
先般、外国記者のインタビューに答えた際、香港の復帰は絶対に成功を収めたと言えると唐財務長官は語った。中国政府、13億人の中国国民及び700万人の香港市民も香港の復帰は絶対に成功したと見ている。復帰は、「一国二制度」、「香港人による香港の管理」などの方針を成功裏に実施したことを裏つけるばかりでなく、中国の平和、統一にもプラスとなる。台湾にとって、香港の復帰は模倣可能なモデルとなる。
今年、香港の経済は全面的に回復し、30万の新たな雇用機会が創出され、失業率も5年来最低となった。同時に、香港は「富を民間にため込み」、今年は200億香港ドルを個人の税金削減に使うことも可能となる。したがって、唐財務長官にとって、今年の財務レポートを発表する時は10年来の最もうれしい時点となった。
復帰は、わずか1日の復帰ではない
ここ10年来、中国本土との協力の際、香港人は中央政府及び13億人の中国同胞の香港に対する関心を深く感じ取っている。街を散策ぶらぶらしているときにはこれをを感じ取りしにくいが、しばらく香港に泊まってみれば、中国本土に対する感情が深まるに違いない。復帰は、わずか1日の復帰ではない。
経済転換期にある香港は、中国政府及び国民とともに、「困難にめげずに前進し、永遠に失敗という言葉は使わない」という香港精神をもって、高齢化や社会格差の拡大などの現実的な問題の解決に力を入れている。
「グレーター珠江デルタ9+2地域」はサッカーチームである
現在、内陸部の都市は急速な発展を遂げている。香港はどんな姿勢で内陸部の都市と協力するのか。これに対して、唐財務長官は、内陸部の都市の急速な発展はチャンスでもあれば、チャレンジでもあり、グレーター珠江デルタ9+2地域における11の省・市はサッカーチームであり、いずれの省もチームメンバーの1である、とたとえた。香港と上海はチームのフォワードで、広州もフォワードである。よく協力すれば、各々の利益も確保できる。ある分野において、広州、上海と香港との間で激しい競争が存在しているが、これは望ましい競争である。チームメンバーはチームの全体として利益を目指し、チームワークを発揮すれば、地域間の相互協力及び相互補完を実現することが可能となる。この競争の中で、いずれのメンバーも自分がキャプテンであると心の中で確信するよう、と唐英年財務長官は期待している。
「チャイナネット」2007年6月22日