302医院の姜素椿教授(74)は7日、すでに回復し退院した重症急性呼吸器症候群(SARS)の元患者に、SARSの危篤患者のために血清を提供するよう呼びかけた。さらに姜教授は、国内医療界が科学的、合理的に血清を利用し、危篤患者を回復させることを願った。姜教授によると、血清治療は(1)血清を提供できるSARS回復者が限られる(2)C型肝炎やエイズなど血液を媒介して感染する伝染病の患者は血清の提供が不可能(3)適切な輸血量の把握が不可欠で、拒絶反応を起こしてはならない――などの各種要因から、広範囲に応用することは不可能。血清治療は主に(1)病状の進行が速く、命が危険な状態にある患者(2)糖尿病などの基礎疾病がある高齢患者(3)妊娠中の患者――に行われている。
姜教授は「全国のSARS回復者は現在、次第に増加している。血しょう100ミリリットルの献血は、体にそれほど影響なくSARS危篤患者の命を救うことができる」と述べた。
姜教授は3月7日に北京で最初のSARS患者の治療に当たり、1週間後には自らもSARSに感染していることが判明した。姜教授は高熱でありながら、自身の体で血清治療の臨床実験を行うことを願い出た。302医院は広州で血清を入手し、3月22日に姜教授の体に血清を注入。23日後、病状は回復した。
香港威爾斯親王医院で最初にSARSに感染した医療スタッフらは、3月末に退院後、積極的に血清を提供。香港中文大学医学院による実験の結果、血清を注入した患者は、血清治療を行っていない患者よりも治療効果が高いことが分かった。
「人民網日本語版」2003年5月8日